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欧州市場サマリー(18日)

2018年10月19日(金)03時01分

[18日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 続落。軟調な決算が売り材料となった。

ドイツのセメントメーカー、ハイデルベルグセメントが利益見通しを引き下げたことで資材株が売られ、アイルランドの建材大手CRHが4.1%下落した。

英蘭系日用品大手ユニリーバは0.9%安だった。第3・四半期決算は、売上高は伸びたものの、売り上げ個数が予想を下回ったことが嫌気された。

一方、スイスの製薬大手ノバルティスは1.9%上昇した。2018年の収益見通しを引き上げたほか、がん治療薬開発を手がける米エンドサイトを21億ドルで買収するとの発表が好感された。同業のグラクソ・スミスクライン(GSK)とシャイアーは1.1%と1.3%の連れ高となった。

<欧州株式市場> 続落して取引を終えた。米国株式相場が下がったことで連れ安となった。また景気動向に左右されるテクノロジーや銀行株が値を下げた。

米国では製造業企業による軟調な決算を受けて部門内のコスト増加や輸入関税の影響が意識された。米国株は幅広く売られている。

STOXX欧州600種テクノロジー株指数<.SX8P>は2.10%低下し、部門別で最も振るわなかった。銀行株指数<.SX7P>は1.69%低下した。

個別銘柄では世界最大のセメントメーカー、ハイデルベルグセメントが8.6%下落。米国での悪天候や、エネルギー費用が予想以上に上がっていることを理由に2018年の利益見通しを引き下げたことが嫌気された。

一方、フランスの小売り大手カルフールは9.3%上昇した。フランスとブラジル市場の売り上げが改善したことで、南欧市場の弱含みを打ち消し、第3・四半期の売り上げの伸びが加速した。

フランスの広告大手ピュブリシスは3.8%高だった。第3・四半期決算が好感された。

<ユーロ圏債券> イタリアとドイツの10年債利回り格差が5年半ぶりの大きさに広がった。欧州連合(EU)がイタリア政府の予算計画に対する圧力を強めているのが背景。

EU当局は、イタリア政府の来年度予算が財政規律に違反すると正式に警告する書簡を送る方針。これは予算案拒否に向けた手続きの第1段階で、イタリアへの制裁につながる可能性もある。

イタリアの拡張的な予算案を巡る懸念はここ数週間、イタリア国債の重しとなっており、この日は利回りが幅広く上昇。終盤には2年債利回りが22ベーシスポイント(bp)上げ、1.855%を付けた。

5年債利回りは19bp上昇し、5年ぶり水準となる3.15%。10債利回りは13bp上昇し、1週間ぶり水準の3.663%を付けた。

イタリアとドイツの10年債利回り格差は324bpに広がり、2013年4月以来の大きさとなった。

ナティクシスのストラテジスト、シリル・レグナット氏は「予算拒否につながる恐れがある今回のプロセスを始めれば、EUとイタリアの激しい議論が市場では予想されている」と述べた。

こうした中、イタリア政府は38億ユーロの2020年償還債を買い戻し、これに合わせ新たに5年債を発行した。

イタリア以外では、スペイン10年債利回りが8bp上昇し、1年ぶり水準となる1.74%。ドイツ10年債利回りは0.402%で、2週間ぶり低水準となった。

ロイター
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