ニュース速報

ビジネス

米鉱工業生産、9月は0.3%上昇 製造業など好調

2018年10月17日(水)03時08分

 10月16日、米連邦準備理事会が発表した9月の鉱工業生産指数は0.3%上昇し、4カ月連続でプラスとなった。ペンシルベニア州ハリスバーグで昨年6月撮影(2018年 ロイター)

[ワシントン 16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が16日発表した9月の鉱工業生産指数は0.3%上昇し、4カ月連続でプラスとなった。製造業と鉱業が好調だった。

第3・四半期は前年同期比で年率3.3%上昇。第2・四半期の5.3%上昇から減速した。

FRBは、9月中旬にサウスカロライナ州とノースカロライナ州に大きな被害をもたらしたハリケーン「フローレンス」が同月の鉱工業生産指数を「やや」抑制したと指摘。ハリケーンの統計への影響は「0.1%ポイントより少ない」と試算した。

鉱工業生産指数の内訳は、製造業が0.2%上昇。8月は0.3%上昇していた。製造業のうち自動車は1.7%上昇。全体水準を押し上げた。8月は4.3%上昇していた。一次金属や機械、木製品も上昇した。

米経済の約12%を占める製造業は、堅調な国内経済が下支え要因となっている。ただドル高や世界経済の減速に伴い輸出が抑制される中、勢いは衰えている。

製造業生産は第3・四半期に前年同期比で2.8%上昇。第2・四半期は2.3%上昇していた。

鉱業生産は0.5%上昇。ただ鉱業のうち石油・ガス掘削は3カ月連続で落ち込んだ。8月の鉱業生産は0.4%上昇していた。

電力・ガスの生産は横ばいだった。8月は1.1%上昇していた。

企業がどれだけ十分に設備を稼動しているかを示す設備稼働率は前月と同じく78.1%だった。1972─2017年の平均を1.7%ポイント下回っている。FRBは、経済に内在する需給の緩みを見るために設備稼働率に注目している。

9月の設備稼働率は78.1%と、横ばい。第3・四半期としては78.0%と、前四半期の77.8%から上昇し、2015年第1・四半期以来の高水準となった。

ただ、キャピタル・エコノミクス(ニューヨーク)のシニア米国エコノミスト、マイケル・ピアース氏は「今後はドル高と世界的な経済成長の鈍化が大きな重しとなる」と指摘。「製造業生産は今後は弱含む可能性がある」との見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、対ロ制裁法案に署名へ 最終権限保持なら

ビジネス

エアバス、A350の大型派生機を現在も検討=民間機

ビジネス

ヤム・チャイナ、KFC・ピザハット積極出店・収益性

ビジネス

午前のドル155円前半、一時9カ月半ぶり高値 円安
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 10
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中