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トランプ氏、FRBの利上げを批判 強いドルは「米国に不利」

2018年07月20日(金)09時53分

7月19日、トランプ米大統領は連邦準備理事会(FRB)の利上げについて「満足には感じていない」と語った。写真は7月18日、ホワイトハウスで会議に出席するトランプ大統領(2018年 ロイター/Leah Millis

[ワシントン 19日 ロイター] - トランプ米大統領は19日、連邦準備理事会(FRB)の利上げについて「満足には感じていない」と語った。

トランプ大統領はCNBCとのインタビューで「利上げをする度に、FRBは追加利上げを望んでおり、そうした状況をさほど喜ばしいとは感じていない」と語った。

同時に「FRBが最善と感じる措置を講じるよう任せている」と述べた。

また、強いドルは「米国を不利な立場に置く」とし、「中国人民元は底値を付けている」との見方を示した。

CNBCによると、トランプ大統領は日銀と欧州中央銀行(ECB)が緩和的な金融政策を維持するなか、FRBによる利上げで米国が「不利な」立場に置かれる可能性があると懸念していると表明。米大統領はこれまでFRBの政策、およびドル相場を巡るコメントは控えてきたが、トランプ氏のこの日の発言はこうした慣習に反するものとなる。

トランプ大統領の発言を受け、主要6通貨に対するドル指数<.DXY>が上げ幅を縮小、米国債利回りが低下するなどの動きが出た。

トランプ氏はCNBCのインタビューで「私は今、一般市民として言っていただろうことを言っているに過ぎない。『大統領としてそのようなことを言うべきではない』との指摘もあるかもしれないが、私自身の考えは変わっていないため、そのような指摘はまったく気にしない」とも述べている。

ホワイトハウスはトランプ氏の発言を受け、大統領はFRBの独立性を尊重しており、FRBの政策決定に干渉しないとする声明を発表した。

FRBは2017年1月のトランプ大統領の就任以降、5回の利上げを実施。トランプ氏はCNBCに対し、パウエルFRB議長は「非常に良い人物だ」と述べている。

6月の米消費者物価指数(CPI)が前年比2.9%上昇し、失業率も4.0%に低下する中、大半のエコノミストはFRBの現行政策を妥当とみている。

ジョーンズ・トレーディングのチーフ市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏は「ドルを押し上げているのは米経済の強さだ」と指摘した。

アナリストの間では、トランプ大統領の発言がFRBの政策や市場に大きな影響を及ぼす可能性は低いとの見方が大勢だ。

ジェフリーズの短期金融市場エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は、トランプ大統領が金融政策や経済理論について独立した見解を持つ人物をFRB当局者に指名してきたことなどを踏まえると、今回の発言は米政権がFRBの権限抑制に動くことを示唆するものではないとの見方を示した。

*内容を追加します。

ロイター
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