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ドル110円半ば、過度なリスク回避は緩和
6月21日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の110円半ばだった。米中貿易摩擦への懸念は残るものの、過度なリスク回避ムードは緩和している。株価の堅調推移や米金利の上昇などを支えに上昇した。写真は2016年11月撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic)
[東京 21日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の110円半ばだった。米中貿易摩擦への懸念は残るものの、過度なリスク回避ムードは緩和している。株価の堅調推移や米金利の上昇などを支えに上昇した。
小安く始まった日経平均がプラス転換し、後場には一時200円超に上げ幅を拡大した。米10年債利回りが2.9%半ばに上昇してきたことも支えとなり、ドル買い/円売りが優勢となった。
ドルは一時110.76円まで上昇。トランプ米大統領の対中追加関税方針を受けて急落した19日朝の水準も回復した。
市場では、円売りとなった背景として、世界的な株価の下げ止まりとともに、中国の「対策」期待が浮上している。対米貿易戦争への懸念が景気や株価の下押し圧力となる状況を打破するために「何らかの対策が打たれるとの観測」(邦銀)があるという。内容は定かではないものの、1%以上の預金準備率の引き下げや、減税などを通じた景気下支え策、株安対策などが打ち出されるのではないか、との観測が出回っている。
<米長短金利差の逆イールド発生の可能性には注意>
市場の一部では米国の長短金利差の縮小に注意する必要がある、との指摘が出ていた。現在、米国の7─10年金利差は3─5ベーシスポイント程度で推移しており、逆イールド発生の手前に差し掛かっている。
一般的に長短金利差といえば2─10年、5─10年などの注目度が高いが、第一生命経済研究所の主任エコノミスト、藤代宏一氏は「イールドカーブ上の一部分でも長短金利差が逆転すれば、伝統的に注目されてきた年限間において逆イールド発生が意識されるのは自明」と指摘。
逆イールドは景気後退のシグナルと広く認識されており、「米中貿易摩擦に関心が集中する中、7─10年の逆イールド発生が『寝耳に水』となる可能性には注意したい」(藤代氏)という。
ドル/円
午後3時現在 110.67/69 1.1556/60 127.93/97
午前9時現在 110.36/38 1.1575/79 127.77/81
NY午後5時 110.35/37 1.1570/74 127.71/75
(為替マーケットチーム)