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ドル指数11カ月ぶり高水準、貿易摩擦巡る懸念で=NY市場

2018年06月21日(木)06時49分

 6月20日、ニューヨーク外為市場ではドル指数が約11カ月ぶりの高水準に上昇した。2017年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)

[ニューヨーク 20日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドル指数が約11カ月ぶりの高水準に上昇した。米国が中国に対し新たな関税措置を導入するのではないかとの懸念の中、ドルは円とスイスフランと共に下値が堅い展開となっている。

オッペンハイマーファンズ(ニューヨーク)のポートフォリオマネジャー、アレッシオ・デ・ロンギス氏は「世界的な経済成長に減速が見られていた時にこうしたことが起こり、われわれは懸念水域に入りつつある」と述べた。

中国人民銀行は、この日の基準値(中間値)を1ドル=6.4586元に設定。1月12日以来の元安水準となり、前営業日基準値(6.4235元)に対しては351ポイント(0.54%)の元安水準となるが、トレーダーやアナリストからは、基準値は市場予想よりかなりの元高で、地合いの安定と元の一段安阻止を狙ったことは明確だったとの見方が出ている。

トランプ米大統領が2000億ドル規模の中国製品に対し10%の追加関税を課すと警告したことを受け、前日の取引ではオフショア人民元は6.4948元と、5カ月ぶりの低水準を付けていた。

この日は米国のロス商務長官がトランプ大統領は中国による貿易障壁の引き下げ、および米国の知的財産権の保全を望んでいるが、米国が圧力を高めない限り中国は行動を起こさないと考えているとし、米政府が中国に対する圧力を増大させる可能性があることを示唆。

欧州中央銀行(ECB)がポルトガルのシントラで開いている年次フォーラムでは、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ドラギECB総裁、黒田東彦日銀総裁らが、激化の様相を見せる貿易戦争が景況感の重しとなりつつあり、経済見通しの下方修正を迫られる可能性もあるとの懸念を示した。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は一時95.299と、11カ月ぶりの水準に上昇。午後の取引でも95.090と、この高値近辺で推移している。

ユーロ/ドルは1.1579ドルとやや低下、ユーロ/円は0.3%高の127.81円となっている。

ドル/円は0.3%高の110.35円。

中国に対する市場心理の指標とも見なされる豪ドルは対米ドルで0.73475米ドルと、13カ月ぶり安値を更新した。

ドル/円 NY終値 110.35/110.37

始値 110.08

高値 110.44

安値 109.96

ユーロ/ドル NY終値 1.1570/1.1574

始値 1.1559

高値 1.1600

安値 1.1557

(表はロイターデータに基づいています)

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