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ドル110円前半、株高・米金利上昇が支え
6月20日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル高/円安の110円前半だった。午後は日経平均の上げ幅拡大や米金利の上昇などを眺めてじりじり値を上げた。写真は昨年6月撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic)
[東京 20日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル高/円安の110円前半だった。午後は日経平均の上げ幅拡大や米金利の上昇などを眺めてじりじり値を上げた。
午後のドルはじり高。正午に110円付近で推移していたが、一時110.25円まで上昇した。日経平均が200円超の上げとなり、リスク選好的な円売りが出たもよう。前日急落したアジア株も全般的に底堅い動きとなったことで、安心感を誘ったという。
同時に米10年国債利回りが2.90%台に上昇してきたこともドルの支援材料となった。
ただ、ドル/円がこのまま上昇するにはエネルギー不足。依然として米中貿易摩擦への警戒も解けない。欧米株の大幅反発などがなければ、前日高値110.58円を試すまでの上げは難しいとの声もある。
きょうはポルトガルのシントラで行われている欧州中央銀行(ECB)年次フォーラムで、ドラギECB総裁、ロウ豪中銀総裁、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、黒田東彦日銀総裁が討論会に参加する。米中貿易戦争絡みで悪いニュースが出ず、市場が落ち着いていれば、各総裁の発言が材料となる可能性もある。
<ユーロは127円半ばで方向感欠く>
ユーロは127円半ばを中心に方向感なく推移した。前日の取引で3週間ぶり安値となる126.67円まで売られた後、米株の下げ渋りや独国債金利の低下一服などを背景に、緩やかながら買い戻しが進んできた。
ユーロ/円はトランプ米大統領が対中追加関税の賦課方針を示す前の前日朝方の高値から1.8円、14日の欧州中央銀行(ECB)理事会から3.6円の急速な円高が短期間で進行した。市場では「ユーロ買い戻しの理由は特段ない。売られ過ぎの反動だろう」(ブローカー)との声が出ていた。
ユーロを巡っては、ドイツの政治不安が関心を集めている。メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)と連立を組むキリスト教社会同盟(CSU)党首のゼーホーファー内相が、首相の方針に反し、他のEU加盟国で登録された難民をドイツが受け入れるのを拒否する命令の発動を検討している。場合によっては連立解消にもつながりかねない深刻な問題が急浮上した形だ。
ドル/円
午後3時現在 110.20/22 1.1570/74 127.53/57
午前9時現在 110.08/10 1.1586/90 127.55/59
NY午後5時 110.04/07 1.1588/92 127.53/57
(為替マーケットチーム)