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独仏首脳、ユーロ圏共通予算創設で合意 2021年までに運用開始
[ベルリン 19日 ロイター] - 独仏首脳は19日、ユーロ圏共通の予算を創設することで合意した。域内の投資促進のほか、加盟19カ国間の経済統合を推し進める。ただ詳細については今後、他の加盟国とともに詰めていくとした。
メルケル独首相とマクロン仏大統領は28─29日の欧州連合(EU)首脳会議を前にベルリン郊外で会談し、「安全保障と繁栄に向けた欧州の確約の刷新」と題された8ページの文書を策定。メルケル首相は会談後、「ユーロ圏共通予算が投資促進に利用されることを確実にしたい。ユーロ圏の統合強化も目指している」とし、経済政策が統合されて初めて経済通貨同盟は存続できると指摘。「(ユーロ圏は)新たな段階に入る」と述べた。
マクロン大統領はユーロ圏共通予算は2021年には運用が開始されると表明。「年間の歳入と歳出で構成される、真の意味での予算となる」と述べた。ただ予算の規模のほか、財源は加盟各国の負担になるのか、ユーロ圏全体の税収で賄われるのかといった詳細についてはユーロ圏財務相が年内に策定し、これに伴い必要な条約の変更はその次の年に実施されると述べた。
両首脳は文書で「EUは存続に関わる課題に直面している」との認識も表明。欧州の国境警察、および難民・移民問題を扱う機関の創設でも合意した。ただ、共通の銀行預金保護制度「欧州預金保険スキーム(EDIS)」など、主要な改革事項については大きく踏み込まなかった。
ブリュッセルに本部を置くシンクタンク、ブリューゲルのディレクター、グントラム・ウルフ氏は「すべてはこれから策定される詳細次第となる」と指摘。ただ「銀行同盟が完成されなければ、ユーロ圏は脆弱な状態から脱却できない」とした。
*内容を追加します。