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ドル指数が4カ月ぶり高水準、米国債利回り上昇受け=NY市場

2018年04月24日(火)07時22分

 4月23日、ニューヨーク外為市場では、米10年債利回りが心理的な節目となる3%に迫る水準に上昇したことで、ドル指数が4カ月ぶり高値に上昇した。米財務省造幣局で2014年11月撮影(2018年 ロイター/Gary Cameron/File Photo)

[ニューヨーク 23日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米10年債利回りが心理的な節目となる3%に迫る水準に上昇したことで、ドル指数が4カ月ぶり高値に上昇した。米国債の供給増に加え、原油などのコモディティー(商品)価格の上昇がインフレ加速につながるとの見方から、米国債利回りは上昇。米10年債利回りは2.998%と、約4年ぶりの高水準を更新した。

このほかムニューシン米財務長官は21日、中国を訪問する可能性があると表明。米中の通商を巡る緊張が緩和に向かうとの観測もドルの押し上げ要因となった。

TD証券(トロント)の北米外為部門責任者、マーク・マコーミック氏は「通商を巡る緊張の緩和は、特にユーロと円に対するドルの短期的な押し上げ要因となる」としている。

米国の政治的な先行き不透明性や地政学上の緊張の高まりなどを背景に、米国債の利回り上昇は年明け以降は必ずしもドル高要因とはなってこなかった。ただ現在は米10年債利回りは3%に迫っており、独10年債との利回り格差は29年ぶりの水準に拡大。ドルが多くの通貨に対し上昇する展開となっている。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.7%上昇の90.960と、1月18日以来の高水準を付けた。

ユーロ/ドルは0.7%安の1.2200ドルと、2カ月ぶり安値を更新。欧州中央銀行(ECB)が26日に開く理事会について、みずほ(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、シリーン・ハラジリ氏は、「今回の理事会で政策の変更があるとは予想していない」と指摘。ただ前回の理事会の議事要旨で為替相場を巡る懸念がやや増大していることが示されたため、今回は特にユ-ロ相場を巡り、トーンがややハト派的になる可能性はある」としている。

米国債利回りの上昇を受け、人民元、ウォン、ルピアなどのアジア新興国通貨が下落。豪ドル、ポンド、ニュージーランド(NZ)ドル も下落した。

円は対ドルでは1%安の108.73円と、2月13日以来の安値を付けた。

ドル/円 NY終値 108.70/108.72

始値 108.22

高値 108.75

安値 108.14

ユーロ/ドル NY終値 1.2207/1.2211

始値 1.2227

高値 1.2245

安値 1.2199

(表はロイターデータに基づいています)

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