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FRB、今後数年は緩やかな利上げ継続が可能=シカゴ連銀総裁
4月17日、米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁(写真)は、インフレ急上昇のリスクが存在しなければ、米連邦準備理事会(FRB)は今後数年間、緩やかなペースの利上げを継続することが可能との見解を示した。2010年3月撮影(2018年 ロイター/Nir Elias)
[シカゴ 17日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は17日、インフレ急上昇のリスクが存在しなければ、米連邦準備理事会(FRB)は今後数年間、緩やかなペースの利上げを継続することが可能との見解を示した。
エバンズ総裁は講演原稿で「インフレ急上昇の過度なリスクは想定していない」とし、「この状況が続けば、FRBはインフレ圧力の高まりを監視しつつ、緩やかな利上げを実施していくことが可能」と語った。
労働市場の過熱容認がインフレ高進を招き、積極的なペースでの利上げ対応を迫られる事態となった1970年代の過ちをFRBが再度繰り返すリスクはほとんどないとも指摘。インフレ率とインフレ期待は低水準にあり、賃金が大きく上昇しない限り、インフレ率が急上昇する状況は想定しがたいとの認識を示した。
現在4.1%にある低水準の失業率がインフレを煽ることになれば、FRBは金利を微調整する可能性はあるとし、「今後入手される指標を一段と辛抱強く精査し、反応する機会はある」と述べた。
インフレ率は上昇するとの見通しを示しつつも、70年代にみられたような速いペースにはならないと予想。米国のインフレ率が持続的に2%の水準になるには1年かかるとの見方を示し、インフレ率がオーバーシュートしたとしてもそれほど大きな懸念にはならないと述べた。その上で「現状において、フェデラルファンド(FF)金利は中立水準を大幅に超えて上昇する必要はない」とし、「緩やかな政策引き締めが理にかなっている」と強調した。
また、雇用のミスマッチなど、構造的要因がインフレを下押ししているのであれば、金融政策によって解決できることは限られる可能性があるとの認識を示した。
さらに同総裁は講演後、記者団に対し、インフレ率は2%に向け安定的な進展を見せ、来年には2%を超える可能性があるとの見方を示した。ただインフレ率が2.25%となっても、連邦準備理事会(FRB)が動揺するようなことはないと述べた。