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米住宅着工、3月は予想上回る1.9%増 一戸建ては低迷
[ワシントン 17日 ロイター] - 米商務省が17日発表した3月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.9%増の131万9000戸と、市場予想の126万2000戸を上回った。
集合住宅の持ち直しが押し上げ要因だった。ただ一戸建て住宅は弱含んでおり、住宅市場の勢いがなくなってきていることを示唆した。
2月の数字は当初発表の123万6000戸から129万5000戸へ上方改定された。
着工件数の先行指標となる建設許可件数は3月に2.5%増の135万4000戸となった。
住宅着工は3月に持ち直したものの、住宅市場は勢いを失ってきているもようだ。市場で最も大きなシェアを占める一戸建て住宅は3.7%減の86万7000戸だった。
16日に発表された4月の住宅建設業者指数は4カ月連続で落ち込んだ。用地不足や建材の値上がりを指摘する声があった。トランプ政権がカナダの木材やその他の輸入品に関税をかけたことが「価格を押し上げ、住宅が購入しにくくなっている」との見方が示された。
市場に出回る住宅が非常に不足している中でも、供給面での制約上、住宅建設が著しく加速することはないとみられる。住宅市場では深刻な供給不足を背景に価格が上がっており、初めての住宅購入者の一部にとって手が届かない状況となっている。
一方、底堅い労働市場を背景に需要は伸びており、経済を下支えしている。ただ労働市場が底堅い中でも賃金は緩慢な伸びにとどまっている。
一戸建て住宅は北東部と南部、西部で落ち込んだ。中西部は増加した。一戸建て住宅の許可件数は5.5%減の84万戸と、2017年9月以来の低水準となった。許可件数が着工件数の先行き指標であることからすると、一戸建て住宅の着工件数は今後さらに落ち込む可能性がある。
変動が大きい集合住宅の着工件数は前月比14.4%増の45万2000戸だった。許可件数は19.0%増の51万4000戸。
ネイビー・フェデラル・クレジット(バージニア州)のエコノミスト、ロバート・フリック氏は「建設は市場の需給バランスが通常状態に戻るために必要な水準をなお下回っている。このため、手頃な価格で手に入る住宅を巡る問題は当面は続く」との見方を示した。
*内容を追加して再送します。