ニュース速報

ビジネス

米自動車メーカー、中国報復関税で現地生産計画再考も

2018年04月05日(木)11時23分

 4月4日、米国と中国が全面的な貿易戦争に突入した場合、米自動車メーカーは中国での生産計画の練り直しを余儀なくされる可能性がある。写真は米ゼネラル・モーターズ(GM)のロゴ。メキシコのグアナフアト州で昨年11月撮影(2018年 ロイター/Edgard Garrido)

[4日 ロイター] - 米国と中国が全面的な貿易戦争に突入した場合、米自動車メーカーは中国での生産計画の練り直しを余儀なくされる可能性がある。

中国は4日、米国の対中制裁措置への報復として自動車を含む米国からの主要輸入品に同等の追加関税を課す方針を表明。これが実際に発動されるかどうかは、今後の米国の動き次第となる。

こうした中で中国で生産したクロスオーバー車「ビュイック・エンビジョン」を米国に輸出するゼネラル・モーターズ(GM)は、トランプ政権の対中制裁案が同車の生産計画にもたらす影響を述べるには「時期尚早」との見方を示した。

GMが昨年中国から米国に輸出したビュイック・エンビジョンは3万台近く。中国生産車の対米輸出台数はGMが群を抜いて多い。

それでもIHSマークイットのアジア太平洋責任者ジェームズ・チャオ氏は「3万台というのは全体的な枠組みの中ではかなり小さい」と語り、GMにとって米政府の中国生産車への追加輸入関税は大きな痛みにはならないとみている。

ビュイック・エンビジョンは、GMがメキシコとカナダで生産している「シボレー・エクイノックス」と基本構造が共通しており、いざとなれば北米に生産を切り替えられる面もある。

一方、フォードは小型車「フォーカス」の生産地を来年、メキシコから中国に移管する計画を発表している。同社は生産計画についてはコメントを控えたが、声明で「両政府が協力してこの主要国2国間の問題を解決するよう促したい」との見解を示した。

米通商代表部(USTR)によると、米国は中国に対する完成車の純輸出国で、2016年には110億ドル相当の完成車が中国向けに出荷された。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

シンガポール航空機、乱気流で緊急着陸 乗客1人死亡

ビジネス

トヨタ、米テキサス工場に5億ドル超の投資を検討

ワールド

米国務長官「適切な措置講じる」、イスラエル首相らの

ビジネス

日産、米でEV生産計画を一時停止 ラインナップは拡
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    9年前と今で何も変わらない...ゼンデイヤの「卒アル写真」が拡散、高校生ばなれした「美しさ」だと話題に

  • 4

    服着てる? ブルックス・ネイダーの「ほぼ丸見え」ネ…

  • 5

    「目を閉じれば雨の音...」テントにたかる「害虫」の…

  • 6

    ベトナム「植民地解放」70年を鮮やかな民族衣装で祝…

  • 7

    高速鉄道熱に沸くアメリカ、先行する中国を追う──新…

  • 8

    中国・ロシアのスパイとして法廷に立つ「愛国者」──…

  • 9

    「韓国は詐欺大国」の事情とは

  • 10

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 10

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中