ニュース速報

ビジネス

欧州市場サマリー(21日)

2018年03月22日(木)05時01分

[21日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。小売り株が売られ全体水準を押し下げた。

衣料小売りのモス・ブロスは23.2%急落し、時価総額の4分の1近くが吹き飛んだ。サプライ・チェーンで起きた問題や客足が減ったことを理由に利益見通しを引き下げた。

日曜大工用品小売り、キングフィッシャーは10.7%下落し、2017年11月以来の安値に落ち込んだ。最近の市況に軟調な見方を示したことが嫌気された。

そのほか、衣料小売り大手ネクストは2.6%、食品のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズ(ABF)は3.1%の連れ安となった。

1月と2月にほぼ横ばいだったFT350種小売株指数<.FTNMX5370>は3月に入ってから約9%低下している。英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票後につけた安値以来の低水準だ。中型株を含むFTSE350種指数<.FTLC>は3月に約3%低下しており、小売り株の値下がりの方が著しいことが分かる。

この日はまた、英国の11─1月の賃金の伸びが2年半近くぶりの大幅なプラスとなったことでポンドが0.5%ポイント近く上昇し、ドルで収益を上げる大手企業や輸出銘柄の重しとなった。たばこ大手のブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)や世界最大の蒸留酒メーカー、ディアジオ、日用品大手ユニリーバなどの国際企業の値下がりが目立った。

一方、中型株では不動産投資信託(REIT)のハマーソンが4.2%上昇した。小売事業の不動産開発を手がけるフランスの会社クレピエールからの買収提案を拒否したことが報道された19日以降、合併・買収(M&A)期待から値上がり傾向にある。

ロンドン株式市場:[.LJP]

<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。貿易紛争をめぐる懸念が相場の重しとなったほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え投資家は慎重な姿勢だった。

トランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を発表して以来、世界的な貿易紛争への懸念が耐えない。中国が報復措置を計画しているとするこの日の報道を受け、欧州株式相場は一時、急落した。

ただ一次産品銘柄が値上がりしたことで欧州株は取引時間中の最安値からは下落幅を圧縮して取引を終えた。

STOXX欧州600種資源株指数<.SXPP>は1.73%上昇。金属価格が持ち直したことが追い風となった。石油・ガス株指数<.SXEP>は1.31%上昇。米原油在庫が予想外に減ったことで原油価格が6週間ぶりの高値に上ったことが買い材料となった。

アセンド・マーケッツのリサーチアナリスト、ヘンリー・クロフト氏は「今日の一大イベントはFRBの会合だ。最大の注目点はフォワードガイダンスだ。声明の文言や、タカ派的なニュアンスがあるか、政策当局者が利上げを今年3回ではなく4回やることに傾いているかどうか、などだ」と述べた。

欧州株式市場:[.FJ]

<ユーロ圏債券> 米連邦準備理事会(FRB)がこの日までの2日間の日程で開催している連邦公開市場委員会(FOMC)で今年初めてとなる利上げを決定するとの観測のなか、国債利回りが上昇した。

英国の雇用関係の統計が力強かったことを受け、イングランド銀行(英中央銀行)も利上げを実施する可能性があるとの見方が台頭。欧州中央銀行(ECB)が出遅れるとの見方から、米独の2年債利回り格差は21年ぶりの水準近辺に拡大した。

米2年債利回りが2.35%と、約9年ぶりの高水準で推移するなか、 独2年債利回りはマイナス0.58%。利回り格差は292ベーシスポイント(bp)と、1997年以来の水準に迫った。

ダイワ・キャピタル・マーケッツの経済調査部門責任者、クリス・シクルナ氏は、「ユーロ圏経済はしっかりしているが、米国に数年遅れをとっている」と指摘。「FRBが金融政策を正常化させるのに何年かかったかを考えると、ECBが緩慢にしか動けない理由は理解できる」と述べた。

ドイツはこの日、24億4700万ユーロの10年債の入札を実施。入札後、独10年債利回りは0.60%と、2bp上昇した。その後0.59%で清算している。

ユーロ圏金融・債券市場:[DE/BJ]

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

バーゼル委、銀行監督規則を強化 気候変動関連リスク

ワールド

韓国財政、もはや格付けの強みではない 債務増抑制を

ワールド

米最高裁、トランプ氏免責巡り一定範囲の適用に理解 

ワールド

岸田首相、5月1─6日に仏・南米を歴訪
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中