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米1月卸売物価0.4%上昇、ガソリンと医療費値上がり
[ワシントン 15日 ロイター] - 米労働省が15日発表した1月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.4%上昇し、昨年12月の横ばいからペースが加速した。市場予想と一致した。
ガソリンと医療が費値上がりし全体水準を押し上げた。物価上昇圧力が増していることを示す新たな兆しだ。
前年同月比は2.7%上昇。市場予想は2.5%上昇だった。12月は2.6%上昇していた。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア物価は0.4%上昇。12月は0.1%上昇していた。1月の前年同月比は2.5%上昇と、14年8月以来の大幅な伸びとなった。12月は2.3%上昇していた。
ナロフ・エコノミック・アドバイザーズ(ペンシルバニア州)の首席エコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は「インフレが上向いているとの兆しは日に日に高まっている。インフレが高まった状況は一過性のものではない可能性がある」と指摘。
前日発表された1月の消費者物価指数も物価上昇圧力を示した。PPIの統計は、今年物価圧力が増すとの見方を後押しするだろう。ただPPIとCPIとの相関性は失われつつある。
労働市場の引き締まりとドル安、1兆5000億ドル規模の減税政策、政府支出の拡大によって物価は今年、米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%へ向かうとエコノミストらはみる。FRBが物価の目安として注目している個人消費支出(PCE)のコア物価指数は12年5月以来、目標を下回り続けている。
FRBは今年3回利上げする見通しを示している。1回目は3月と見込まれている。ただ物価上昇圧力が高まる中でほとんどのエコノミストは、4回利上げがあるとみている。
モルガン・スタンレーは今回の消費者物価指数と卸売物価指数を受け、コアPCE価格指数は1月は前月の0.2%上昇に続き0.31%上昇したと予想。前年比では前月の1.5%上昇に続く1.6%上昇となる見込みとしている。コアPCE価格指数は3月1日に発表される。
PPIの前月比の内訳は、病院外来費が1.0%上昇し、14年8月以来の大幅な伸びだった。12月は0.1%上昇していた。入院費は0.3%上昇。医療費全体は0.7%上昇した。医療費はコアPCE物価指数の算出に組み込まれる。
最終需要財は0.7%上昇。12月は0.1%上昇していた。ガソリンは7.1%上昇。モノの値上がり要因の半分近くを占めた。モノのうち食品とエネルギーを除くコア物価は2カ月連続で0.2%上昇した。一方、食品は2カ月連続で値を下げた。
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