ニュース速報

ビジネス

ボンバルディア勝訴、米委員会がボーイング主張認めず

2018年01月27日(土)07時53分

 1月26日、カナダ重工業大手ボンバルディアがジェット旅客機「Cシリーズ」を米国市場で不当廉売していたなどとして、米ボーイングが同社と争っていた訴訟で、米国際貿易委員会はボーイングの訴えを退け、ボンバルディアの主張を認める判断を示した(2018年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)

[ワシントン/モントリオール 26日 ロイター] - カナダ重工業大手ボンバルディアがジェット旅客機「Cシリーズ」を米国市場で不当廉売していたなどとして、米ボーイングが同社と争っていた訴訟で、米国際貿易委員会(ITC)は26日、ボーイングの訴えを退け、ボンバルディアの主張を認める判断を示した。

4人の委員全員が、ボンバルディアの価格はボーイングに損害を与えないと判断した。「Cシリーズ」に300%近くの関税をかける米商務省の方針も退けた。

事前の予想では、ボーイングの訴えが認められるとの見方が広がっており、想定外の結果となった。ボンバルディア株はこの日一時22%急騰。ボーイング株はほぼ変わらずで取引を終えた。

ピーターソン国際経済研究所(PIIE)のシニアフェロー、チャド・バウン氏は「事実や証拠の重要性があらためて浮き彫りとなった。トランプ大統領がいくら保護主義を主張しても、通商政策に関するITCの訴訟手続きは支障なく機能した」と述べた。

またダン・ピアソン元ITC委員長は「1人の委員もボーイングの主張に耳を貸そうとしなかった。『米国第一主義』はホワイトハウスや商務省では通用するだろうが、ITCのような独立機関では通用しない」と語った。

ボンバルディアは声明で、今回の判断について「技術革新、競争、法の支配の勝利」で、米航空会社や旅行客の勝利と指摘した。

一方、ボーイングは「不正な政府助成によりボーイングが何十億ドルもの損害をこうむった」ことが認められず失望した、とのコメントを発表した。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください。)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意

ワールド

国際刑事裁の決定、イスラエルの行動に影響せず=ネタ

ワールド

ロシア中銀、金利16%に据え置き インフレ率は年内
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中