ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(12日)

2017年10月13日(金)07時21分

[12日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場では9月の米消費者物価指数(CPI)の発表を翌日に控え、これまで低下していたドル指数が上向いた。市場では米利上げ時期の手掛かりを得ようと同指数に注目が集まっている。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.06%上昇の93.074。この日も低下して取引を終えれば、過去4カ月で最も長い連続低下となるはずだった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのグローバル為替戦略部門責任者、マーク・チャンドラー氏は、「今週に入ってからのドル指数の動きは主に9月にみられた大幅な変動の反動と考えている」とし、「市場で新たなシグナルが待たれるなか、調整が入っている」と述べた。

ドル指数は9月は月間ベースで7カ月ぶりに上昇。前週は米雇用統計で賃金上昇が確認されたことを受け、約10週間ぶりの高水準をつけていた。

市場は13日発表の9月の米消費者物価指数(CPI)に注目。前日に連邦準備理事会(FRB)が公表した9月19─20日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、インフレ率の上昇見通し、およびインフレ率が上昇しない場合の金利の道筋を巡り踏み込んだ討議が行われ、多くの参加者が年内にもう1度利上げすることが「適切となるだろう」との見方を示していたことが明らかになっている。

<債券> 米金融・債券市場は、国債価格が上昇した。

120億ドルの30年債入札が堅調な需要を集めたほか、消費者物価指数(CPI)の公表を翌日に控え、ポジション調整の動きもみられた。

終盤の取引で、10年債価格は5/32高。利回りは2.327%と前日の2.345%から低下した。

30年債入札の応札倍率は2.53倍と、2015年9月以来の高水準だった。

キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、ジャスティン・レデラー氏は、このところの売りペースが落ち着き、堅調な入札結果になったとの見方を示す。

米地質調査所(USGS)が、過去に核実験が行われた北朝鮮の地域で地震のような動きがあったとの見方を示したことも、入札の追い風となった。自然に起こったのか、人工的なものかは特定できていないという。

<株式> 米国株式市場は小幅下落。通信大手AT&Tが第3・四半期の国内加入者数が減少したと発表したほか、銀行株は決算内容を嫌気して売られた。

JPモルガン・チェースとシティグループは、利益と収入が予想を上回ったものの、トレーディング収入は減少したと発表。株価はJPモルガンが約0.9%安、シティが3.1%安とさえなかった。

13日に決算を発表するバンク・オブ・アメリカとウェルズ・ファーゴも下落。金融指数<.SPSY>は0.7%安となった。

AT&Tは5.7%急落した。ハリケーンの影響に加え、有料テレビ市場の競争激化により、期中に米国の加入者数が約9万人減少した。

関連銘柄も売られ、コムキャストは4.3%安。チャーター・コミュニケーションズが配信契約の問題から、バイアコムのコンテンツを削減もしくは解約する可能性があるとの見方から、バイアコムは2.6%安。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でインフレ動向に関して参加メンバーの意見が依然一致していないことが明らかになったことから、金利を生まない資産である金が買われ、反発した。

また、北朝鮮やスペイン情勢などの地政学的リスクのほか、トランプ米政権の政策運営に対する不透明感がくすぶっていることも、安全資産とされる金にとっては支援材料となった。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、国際エネルギー機関(IEA)が2018年の石油需要見通しを下方修正したとの報などを嫌気し、4営業日ぶりに反落した。

この日朝方の原油相場は、外国為替市場でドル高・ユーロ安が進行したことに伴う割高感に圧迫されたほか、米石油協会(API)が前日夕に発表した最新週の原油在庫が前週比310万バレル増と市場予想(ロイター拡大版調査)の200万バレル減に反して積み増しとなったことなどから、ほぼ一本調子で下落していた。

ただ、米エネルギー情報局(EIA)が昼前に公表した最新週の原油在庫は前週比270万バレル減と予想を上回る取り崩しとなったため、朝方の下げ幅を縮小。しかし、IEAが18年の石油需要見通しを下方修正したとの報などが相場の重しとなった。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

バークシャー、手元資金が過去最高 第1四半期にアッ

ワールド

イスラエル、アルジャジーラの活動停止 安全保障の脅

ビジネス

英シェル株主は気候対策強化案に反対を、グラスルイス

ワールド

中国主席、5年ぶり訪欧開始 中仏関係「国際社会のモ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中