ニュース速報

ビジネス

ファーストリテ、18年8月期は2桁増収増益 海外けん引で最高益へ

2017年10月12日(木)19時26分

 10月12日、ファーストリテイリングは、2018年8月期(IFRS:国際会計基準)の連結営業利益は前年比13.4%増の2000億円を見込むと発表した。写真は都内で1月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 12日 ロイター] - ファーストリテイリング <9983.T>は12日、2018年8月期(IFRS:国際会計基準)は2桁の増収増益を見込むと発表した。

連結営業利益は前年比13.4%増の2000億円で、2年連続での過去最高益更新となる。中国や東南アジアを中心とした海外ユニクロ事業がけん引する。

トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト16人の営業利益予測の平均値は1984億円となっている。

連結売上収益は同10.1%増の2兆0500億円を計画。年間配当は1株350円を予定している。

柳井正会長兼社長は会見で「売上高3兆円は近年中に確実に行く。5兆円もかなりの確率で行く」と、先行きに自信を示した。

<海外ユニクロ、東南アジアは成長ステージへ>

海外ユニクロは大幅な増収増益を見込む。売上高は、国内ユニクロ事業を初めて上回るという。グレーターチャイナや東南アジアが伸長する。また、北米事業(カナダ、米国)は赤字の半減を見込んでいる。柳井社長は「米国はブランドが浸透し、経営体制もできつつある。米国事業は、今からもう一度拡大期に入っていく」と述べた。

岡崎健・グループ上席執行役員CFOは「東南アジアは、グレーターチャイナ、韓国に次ぐ、海外ユニクロ事業の柱として成長ステージに突入した」と述べた。

グレーターチャイナは、今後5年で売上高1兆円、営業利益2000億円を目指す。また、東南アジア・オセアニアは、年率約30%の成長で、今後5年で売上げ3000億円以上を目指すとした。

海外ユニクロ新規出店は177店舗・純増は157店舗、、国内ユニクロは30店舗を新規出店するものの、30店舗閉店予定で純増はゼロの見込み。

国内ユニクロの既存店+ダイレクト販売は1.9%増を見込んでいる。スタートとなる9月は6.3%減だった。また、注力しているEC(電子商取引)は、約30%の増収を計画している。国内事業について、柳井社長は「経費が膨張している。日本の経費削減を大幅にやっていかなければならない」と述べた。

<17年8月期、国内ユニクロとジーユーは減益>

17年8月期の営業利益は前年比38.6%増の1764億円で営業増益に転じた。海外ユニクロ事業が前年比約2倍の営業利益水準となり、増益に寄与した。各エリアで値引きを抑制したことで粗利益率が改善したほか、経費削減効果も出た。米国事業の赤字幅も半減した。

一方、国内ユニクロ事業、ジーユー事業は営業減益となった。

国内ユニクロの既存店売上高は1.1%増となり、5期連続でプラスとなった。客数は同2.9%増、客単価は同1.8%減だった。

ECの売上高は487億円(前年比15.6%増)で、売上構成比は6.0%(前期は5.3%)に高まった。

*内容を加えました。

(清水律子 編集:吉瀬邦彦)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏成長率、第1四半期は予想上回る伸び 景気後

ビジネス

インタビュー:29日のドル/円急落、為替介入した可

ワールド

ファタハとハマスが北京で会合、中国が仲介 和解への

ビジネス

ECB、インフレ鈍化続けば6月に利下げ開始を=スペ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「瞬時に痛みが走った...」ヨガ中に猛毒ヘビに襲われ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中