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法人税率の15%への引き下げ、実現できない可能性=米財務長官

2017年09月13日(水)07時59分

9月12日、ムニューシン米財務長官はトランプ大統領が提唱する法人税率の15%への引き下げは実現できない可能性があるとの認識を示した。写真は2013年10月、ワシントンで(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 12日 ロイター] - ムニューシン米財務長官は12日、トランプ大統領が提唱する法人税率の15%への引き下げは実現できない可能性があるとの認識を示した。

長官はCNBCが主催した会議で「トランプ大統領は理想的には税率を15%に引き下げたい考えだが、予算問題などを踏まえると達成可能かどうかは分からない。ただ、われわれは非常に競争的な水準で決着を付けたいと考えている」と述べた。

法人税率の具体的な水準については明言を避けた。

一方、ホワイトハウスのサンダース報道官は、トランプ米大統領が法人税率15%を本当に求めているのかとの問いに「大統領は可能な限り低い税率を要求する構えだ。実行できる最善の合意を得るために議会に働きかけ続ける」と述べた。

米ホワイトハウスの議会担当責任者、マーク・ショート氏はクリスチャン・サイエンス・モニター紙のイベントで、法人税率の引き下げを実現するために「おそらく妥協するだろう」としたが、「米国民にとって最善の方法は直ちに法人税率を15%にすることだ」との見方を示した。

また財務長官は税制案の年内成立に「大いに期待」しており、その場合2017年1月に遡っての適用もあり得るとした。

自営業・パートナーシップといったパススルー事業体が減税の恩恵を確実に受けられるようにするほか、投資会社(PE)・ヘッジファンドのマネジャーが成功報酬として受け取る「キャリードインタレスト」に対する税制上での優遇措置を撤廃するなど、税の抜け穴もしっかりふさぐと述べた。

また、州税・地方税の所得控除を撤廃すれば、ニューヨーク州やカリフォルニア州など高税率州の住民には差し引きで減税とならない可能性があるとした。

米南部を相次ぎ襲ったハリケーンについては国内総生産(GDP)に影響を与えるとの見方を示した。

米連邦準備理事会(FRB)議長人事を巡っては、多くの候補とともにイエレン現議長の続投も検討されていると明らかにした。

北朝鮮問題については、中国が北朝鮮に対する追加制裁措置に従わない場合、中国による米金融システムのアクセスを禁止するなど新たな金融制裁措置を導入する構えがあることを示した。

国連安全保障理事会は11日、北朝鮮に対する追加制裁決議案を全会一致で採択した。ムニューシン長官は、中国がこの制裁措置に従わない場合、米国は中国に対し追加制裁を課し、米国、および国際ドルシステムへのアクセスを拒否する。これはかなり意味のあることになる」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
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