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ドル/円小動き、米政権・北朝鮮リスクへの警戒くすぶる
8月21日、午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場終盤に比べ、ややドル高/円安の109.26/28円だった。米トランプ大統領によるバノン首席戦略官の解任を経ても、米政権の先行き不透明感がつきまとい、上値追いは限られた。写真は6月撮影(2017年 ロイター/Thomas White)
[東京 21日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場終盤に比べ、ややドル高/円安の109.26/28円だった。米トランプ大統領によるバノン首席戦略官の解任を経ても、米政権の先行き不透明感がつきまとい、上値追いは限られた。米韓合同軍事演習が始まったことを踏まえて、北朝鮮を巡る地政学リスクへの警戒感もくすぶっている。
午後のドル/円は109円前半での小動きが続いた。バノン氏の解任があっても「これですべて解決するわけではない。景気刺激策や債務上限問題の先行きも不透明なままだ」と、りそな銀行・総合資金部クライアントマネージャーの武富龍太氏は指摘する。「最悪の局面からは戻したといえそうだが、上値を追うのは難しい」(武富氏)という。
みずほ証券のチーフ為替ストラテジスト、山本雅文氏は、バノン氏の退任にはドル高の側面がある一方、ドル安の側面もあるとして「現時点では、全体としてドル/円に対する影響は限定的」と指摘する。
ドル高につながり得る側面としては、1)政権の意思決定がスムーズになり、減税など景気刺激策の議論が進展する可能性、2)バノン氏を差別主義のスケープゴートとすることで、トランプ大統領への批判が和らぐ可能性、3)保護主義者でもあるバノン氏退任で、政権の保護主義姿勢が弱まる可能性──の3点があると山本氏は話す。
一方、1)保護主義政策の残存、2)内政停滞の挽回をねらって外交面で強硬化するおそれ──の2点が、ドル安要因になりえるという。「バノン氏解任で支持者が離れるリスクを、保護主義の強化で補おうとトランプ氏が考える可能性も残る」と山本氏はみている。
午前のドル/円は、午前8時過ぎに午前の高値109.42円をつけたが、それ以降は小幅な反発を繰り返しながらも、じり安となり、109.18円まで下落した。
目先は、前週末のニューヨーク市場で108.60円でドルが踏みとどまったことで、「一気に、年初来安値の108.13円を試す雰囲気ではない」(FX会社)とされ、北朝鮮関連で不測の事態が起きなければ、下値リスクはそれほど大きくないと見られている。
ドル/円
午後3時現在 109.26/28 1.1744/48 128.33/37
午前9時現在 109.32/34 1.1754/58 128.51/55
NY午後5時 109.18/20 1.1760/64 128.40/44
(為替マーケットチーム)