ニュース速報

ビジネス

武田、4―6月期営業益は27.5%増 通期計画超過も見通し据え置き

2017年07月28日(金)19時05分

 7月28日、武田薬品工業は、2017年4―6月期(国際会計基準)の連結営業利益が前年同期比27.5%増の1949億円になったと発表した。写真はロゴ、2009年7月撮影(2017年 ロイター)

[東京 28日 ロイター] - 武田薬品工業 <4502.T>は28日、2017年4―6月期(国際会計基準)の連結営業利益が前年同期比27.5%増の1949億円になったと発表した。潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」が45%増になるなど、主力製品の売り上げが好調に推移している。

ジェームス・キーホーCFO(最高財務責任者)は電話会議で「売り上げ、利益ともに力強いスタートを切れた。年間見通しへの確かな自信を与えてくれている」と述べた。

最大市場である米国をはじめとして、日本、新興国、欧州・カナダの全地域で実質的な売上収益が増加した。製品としては「エンティビオ」のほか、酸関連疾患治療剤「タケキャブ」、多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ」などが大幅に伸びた。

4―6月期の営業利益が通期の営業利益見通し1800億円を超えているにもかかわらず、通期見通しを据え置いたことについて、キーホーCFOは「和光純薬工業や不動産売却など一時的な利益が4―6月期に出た。一方、この後9カ月で費用が出てくる」と説明した。

18年3月期の連結売上収益は前年比3.0%減の1兆6800億円、営業利益は同15.5%増の1800億円の見通しを据え置いた。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト15人の営業利益予測の平均値は1885億円となっている。

米控訴裁は今月17日、武田の血液がん治療薬「ベルケイド」の特許侵害訴訟で、一審の判決を破棄し、特許の有効性を支持する判決を下した。これにより、米市場での後発医薬品(ジェネリック)販売が後ずれする見通しとなった。

クリストフ・ウェバー社長CEO(最高経営責任者)は「11月にジェネリックが発売されると考えていた」としたうえで、今回の判決によりジェネリック発売時期が後ずれするなど「最終的には武田にアップサイドを生み出すかもしれないが、ジャッジメントするには時期尚早。もう少し分かった段階でアップデートしたい」と述べた。

(清水律子)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中