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経済持ち直せば利上げへ、年内の資産縮小視野=FOMC議事要旨

2017年05月25日(木)06時47分

 5月24日、米連邦準備理事会(FRB)が公表した5月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、参加した政策当局者は最近の経済指標の弱含みが一時的とするだけの証拠が得られるまで利上げは待つべきだとの考えで一致した。2016年3月撮影(2017年 ロイターKevin Lamarque)

[ワシントン 24日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が24日公表した5月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、参加した政策当局者は、大半が間もなく利上げが適切になると想定しつつも、最近の経済指標の弱含みが一時的とするだけの証拠が得られるまで利上げは待つべきだとの考えで一致した。

FRBのバランスシート縮小を、年内に開始することについては、ほぼ全員が前向きな見方を示した。

議事要旨は、短期金利の先行きについて、今年投票権を持つ9人のメンバーが「総じて」共有したと記載。このことで金融市場では、6月13-14日のFOMCでの利上げ観測にやや疑念も生じている。

FRBは、米経済が力強い成長に復帰するとの見方が基本線であることを明確に主張した。一方で、政策の引き締めに注意深く臨んでいることを改めて示した。FRBは2015年12月に実質ゼロ金利政策を解除し、徐々に利上げを進めている。

議事要旨は「メンバーは総じて、緩和策を一段と取り除く前に最近の経済指標の弱含みが一時的とのさらなる証拠を待つのが賢明と判断した」としている。

米経済は第1・四半期に急減速した。投票権を持たない参加者を含めた16人の政策当局者は、経済減速の理由と、なぜ基調的な物価がFRBのインフレ目標である2%から、さらに乖離して下落したかを細かく話し合った。

多くの参加者が、最近の住宅市場の引き締まりと企業の設備投資の加速は歓迎するべき展開だと述べた。年初めに減速した個人消費は一時的だったことが判明するだろうとの見方で総じて一致した。

大半の当局者は弱含みが過ぎ去ると予想し、その通りなら間もなく利上げが適切になると想定した。

議事要旨はバランスシートの縮小に関する議論も紹介した。満期を迎えた米国債などの再投資額を3カ月ごとに縮小するとの事務方スタッフの提案について、参加者はおおむね賛同した。

ボヤ・インベストメント・マネジメントのマット・トムス氏は議事要旨について「6月のFOMCでどうするかを決定づけなかった。私は6月のFOMCで動きがあり、第4・四半期に利上げがあると予想している」と語った。

*内容を追加しました。

ロイター
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