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物価2%目標の早期実現へ、今後も金融緩和しっかり推進=黒田日銀総裁

2016年10月21日(金)16時30分

 10月21日、黒田東彦日銀総裁は、都内で開かれた全国信用組合大会であいさつし、物価2%目標の早期実現に向け、今後も金融緩和をしっかり推進していく、と語った。写真は川崎市で2月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 21日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は21日、都内で開かれた全国信用組合大会であいさつし、物価2%目標の早期実現に向け、今後も金融緩和をしっかり推進していく、と語った。

総裁は、9月21日の金融政策決定会合で導入した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策(QQE)」について説明し、「経済・物価情勢だけでなく、金融情勢も十分踏まえ、2%の物価安定目標を実現するために最も適切なイールドカーブの形成を促していく」と述べた。

そのうえで、「新たな枠組みのもと、2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するため、今後も金融緩和をしっかり推進していく」と表明した。

日本の金融システムについて「マクロ的にみて、行き過ぎたリスクテークや信用量の増加といった金融活動の過熱をうかがわせる状況にはなっていない」とし、「現時点では、金融システムの安定性に大きな問題は生じていない」との認識を示した。

もっとも、金融機関の収益は低金利環境に伴う貸出利ざやの縮小や、高齢化、人口減少など構造的な要因を背景に「基礎的な収益力はすう勢的に低下している」と指摘。特にマイナス金利政策の導入以降は「市場金利の低下や競争の激化などを背景に、貸出金利の低下が加速しており、収益のさらなる下押し圧力として作用している」と語った。

(伊藤純夫 編集:田中志保)

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