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ドル103円半ば、日銀追加緩和への失望感で円買い

2016年07月29日(金)15時32分

 7月29日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の103円半ばだった。写真は都内で2011年8月撮影(2016年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 29日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル安/円高の103円半ばだった。日銀の金融政策発表後に102円後半まで下落したが、その後は落ち着きを取り戻し、株価のプラス転換を眺めて103円台を回復した。

午後1時前、日銀が上場投資信託(ETF)の買い入れ増額などを含めた追加金融緩和を発表すると、いったんドルは105.75円まで上昇。その後、内容が小幅にとどまったとの見方が広がって102.70円まで下落する荒い値動きとなった。

落ち着きどころを探るなか、日経平均株価のプラス圏に浮上を横目にドル/円も持ち直し、一時103円後半まで反発した。

市場では、金融政策の限界を露呈したという意味で、政策が維持された場合よりも失望を誘ったという見方も出ている。仮に日銀が政策を現状維持とすれば、瞬間的に100円付近までのドル下落を予想する向きもあったなかで102円台で下げ止まったのは「多くの市場参加者が、追加緩和をしても手詰まり感が出れば円高方向に向かうと予想していたこと、次回会合で現行の金融緩和パッケージの総括的な検証を行うとしたことなどが作用しているのではないか」(外為どっとコム総合研究所・調査部長、神田卓也氏)との声が出ていた。

麻生太郎財務相は、日銀の追加金融緩和決定を受け、デフレ脱却に向けて政府・日銀が政策を総動員して取り組むとする談話を発表した。日銀の判断は「政府としても歓迎したい」とし、「引き続き物価安定目標の実現に向けて努力されることを期待する」と明記した。

市場の関心は、午後3時半から行われる黒田東彦日銀総裁の会見に向かっている。

<午前のドル/円も落ち着かず>

午前のドル/円も落ち着かない値動きとなった。早朝の取引で一時103.30円まで下落したが、間もなく105円付近まで持ち直した。

その後、再び軟調となり一時104円ちょうどを割り込んだあと、一気に105円をつけるなど、神経質な値動きを続けた。

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 103.61/63 1.1077/81 114.78/82

午前9時現在 104.82/84 1.1080/84 116.15/19

NY午後5時 105.25/29 1.1075/80 116.59/63

(為替マーケットチーム)

ロイター
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