ニュース速報

ビジネス

米耐久財コア受注が予想届かず、企業投資の弱含み傾向続く

2016年07月28日(木)00時55分

 7月27日、6月の米耐久財コア受注が市場予想を下回った。写真はワシントン州の旅客機組立工場で2014年2月撮影(2016年 ロイター/David Ryder)

[ワシントン 27日 ロイター] - 米商務省が27日発表した6月の耐久財受注は、非国防資本財から航空機を除いたコア受注が前月比0.2%増と、市場予想の0.3%増を下回った。機械など幅広い項目が落ち込んだ。企業投資の弱含み傾向がしばらく続くことを示唆した。

5月のコア受注は0.5%減だった。

米経済は年初めに停滞に近いレベルに減速した。小売りや住宅関連のデータには回復の兆しが見えるものの、企業投資は依然弱い。企業投資の弱さは、連邦公開市場委員会(FOMC)が27日に政策金利を据え置く一因となる可能性がある。

TD証券(ニューヨーク)の次席エコノミスト、ミラン・ムルレーン氏は、「企業のさえない設備投資はエネルギー業界での資本財需要の緩み以上に問題であり、当該部分が経済において引き続き低迷していることを裏付けている」と述べた。

6月の全体の耐久財受注は前月比4.0%減で、2014年8月以来の大幅な落ち込みとなった。5月は2.8%減だった。

耐久財はトースターから航空機まで、3年以上使われるモノを指す。

企業投資は昨年末以降に弱含んだ。原油安で利益が圧迫されたエネルギー企業が設備投資を削ったことが一因だ。世界的に需要の先行き不透明感が広がっていることや、今年は米大統領選が控えていることなどから企業は慎重になっているとエコノミストらはみている。

企業利益が期待外れに終わっていることから、投資が回復する見込みは少ない。

国内総生産(GDP)算出に用いられるコア資本財の出荷は前月比で0.4%減少した。5月は0.5%減だった。企業投資の減少が第2・四半期も続いたことを示唆している。

第2・四半期も企業投資が減った場合、07-09年の景気後退期以来初めての3四半期連続減少となる。

ロイター調査によると、29日発表の第2・四半期GDPの市場予想は年率換算で2.6%増。第1・四半期は1.1%増だった。

6月の耐久財受注の内訳は、電機・家電が0.8%増。一方で機械は0.1%減った。1次金属は1.3%減、コンピューター・電子製品は2.2%減だった。

輸送機器は10.5%減った。民間航空機が58.8%落ち込み、全体を押し下げた。自動車は2.6%増だった。

コア資本財の受注残高は0.2%減、5月も0.4%減少だった。企業支出の弱さが続いていることを示した。

コア資本財の在庫は0.3%増だった。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年2月以来の低水準
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 8

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中