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米利上げ仕切り直し、英EU離脱ショックで 海外要因で再び足踏み

2016年06月25日(土)04時37分

 6月24日、英国のEU離脱という予想外の決定で金融市場が動揺する中、米FRBが想定していた年内2度の利上げはひとまず棚上げになった。国民投票から一夜明けたロンドン市内のようす(2016年 ロイター/Kevin Coombs)

[サンフランシスコ 24日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱という予想外の決定で金融市場が動揺する中、米連邦準備理事会(FRB)が想定していた年内2度の利上げはひとまず棚上げになった。

FRBは主要中銀との通貨スワップ枠を通じてドル資金を供給する方針を表明、市場の不安払しょくに努めた。

だが米短期金利先物相場では、来年末まで利上げの可能性をほとんど織り込んでおらず、確率は低いながら利下げの可能性さえ視野に入れている。

イエレンFRB議長をはじめ、FRB当局者からは英国民投票を控え、英国がEUを離脱すれば米経済の見通しに大きな影響を及ぼす可能性があるとの発言が相次いでいた。予想していた市場の動揺が実体化した格好だ。

FRB、そして世界の中銀にとって差し迫った問題は、このブレグジット(英国のEU離脱)ショックがどの程度広がり、そして継続するかだ。投資家やエコノミストの多くは、英国のEU離脱でぜい弱な欧州景気の回復は停滞すると懸念している。

コーナーストーン・マクロのパートナー、ロバート・ペルリ氏は「状況がどの程度悪化し、これがどれくいの期間続くかに左右される」とし、「問題は、あまりにも知ることの出来ない未知数が多すぎて予測が困難なこと」と述べた。

<再び海外要因が利上げの阻害要因に>

ピーターソン国際経済研究所のシニアフェロー、ジョー・ギャニョン氏はこれまで、年内1度の利上げを予想していた。

だが英国がEU離脱でリセッション(景気後退)入りし、米国の輸出や雇用の伸び、成長が打撃を受ければ、FRBが「少なくとも25ベーシスポイント(bp)利上げに相当する」とし、年内利上げはなくなる可能性があるとみている。

可能性は低いが欧州に深刻な影響が及べば、利上げはさらに遠のくだろうとも述べた。

これまでにも、中国経済をめぐる懸念や国際金融市場の混乱を背景に、FRBは度々利上げ見送りを決定。今回も海外リスクがFRBの手足を縛る構図となった。

ただ、米経済がこれでリセッション入りするとの見方は少ない。ブレグジットショックの全容が見えないままでも、米雇用や賃金が引き続き伸び、インフレや全般的な経済成長が持続すれば、FRBはいずれ利上げする必要があるだろう。

前出のギャニョン氏は「FRB当局者は何年も利上げを停止することはない」としている。

ロイター
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