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ポンド下落、EU離脱派優勢の英世論調査で=NY市場

2016年06月01日(水)07時15分

 5月31日、終盤のニューヨーク外為市場では、最新の英世論調査で欧州連合(EU)離脱支持が優勢という結果が判明したため、ポンド安/ドル高が進んだ。写真はポンド紙幣、3月撮影(2016年 ロイター/Phil Noble)

[ニューヨーク 31日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、最新の英世論調査で欧州連合(EU)離脱支持が優勢という結果が判明したため、ポンド安/ドル高が進んだ。この影響でユーロも対ドルで下落した一方、安全通貨とされる円は買われた。

EU離脱の是非を問う6月23日の英国民投票について、ICMが実施した電話とインターネットの世論調査は、いずれも離脱支持が残留支持を上回った。電話調査は離脱支持が45%で残留支持は42%、インターネット調査は47%対44%。前週は双方の調査とも45%で拮抗していた。

終盤のポンド/ドルは1.1%安の1.4476ドルで、一時は8営業日ぶり安値の1.4464ドルまで下落した。ユーロ/ドルは0.13%安の1.1129ドル、ドル/円は0.5%安の110.55円だった。

アナリストは、今回の世論調査結果は英国のEU離脱(ブレグジット)のリスクを甘くみていた市場参加者をまず驚かせ、次に他の加盟国のEU離脱を促す恐れがあるとの懸念を招いたため、ユーロ売りにつながったと説明した。

ウェストパック・バンキング・コーポレーション(ニューヨーク)のシニア通貨ストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏は、ポンドが対ドルで下落した点に触れた上で「ユーロはこのポンド安の余波だった」と述べた。

マーク・インベストメンツのアクセル・マーク最高投資責任者も、世論調査結果について「いくらか他の欧州通貨を動かした」と指摘。もしブレグジットが実現すれば、EU域内に波及効果があるとの見方を示した。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は、5月全体で2.9%高と月間ベースでは6カ月ぶりの上昇率だった。米連邦準備理事会(FRB)が6月か7月に利上げするとの観測が強まったことが背景。ドル/円の月間上昇率は約4%で、1年半ぶりの大きさになった。

*内容を追加しました。

ドル/円 NY終値 110.68/110.74

始値 111.07

高値 111.25

安値 110.51

ユーロ/ドル NY終値 1.1129/1.1135

始値 1.1150

高値 1.1173

安値 1.1125

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