ニュース速報

ビジネス

米4月消費支出1%増、6年超ぶり大幅な伸び 物価も安定的に上昇

2016年06月01日(水)01時02分

 5月31日、4月の米個人消費支出は前月比1.0%増と6年8カ月ぶりの大きな伸びとなった。写真はアーカンソー州のウォルマート店内の様子。昨年6月撮影。(2016年 ロイター/Rick Wilking)

[ワシントン 31日 ロイター] - 米商務省が31日発表した4月の個人消費支出は、前月比1.0%増と2009年8月以来6年8カ月ぶりの大きな伸びとなった。市場予想の0.7%を上回った。物価も安定的な上昇を続けており、経済成長の加速を示す要素が増えたことは、連邦準備理事会(FRB)が早ければ6月にも再び利上げに踏み切るよう促す可能性がある。

3月の数字は当初発表の0.1%増から横ばいに下方修正された。

4月のインフレ調整後の個人消費支出は0.6%増で、こちらは14年2月以来の大きな伸びだった。3月は横ばいだった。

統計発表後、ドルは主要通貨に対して上昇した。米国債は売られ、株式の先物は上昇幅を圧縮した。

力強い個人消費支出は、このところの輸出統計や鉱工業生産、住宅着工や販売の堅調さと同様に、米経済が第1・四半期の期待外れの0.8%成長を経て、勢いを取り戻しつつあることを示している。

変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア個人消費支出(PCE)物価指数は、前月比で0.2%上昇した。3月は0.1%上昇だった。4月の前年同月比のコアPCE指数は、3月と同じ1.6%上昇だった。FRBが物価の目安として注目しているコアPCE指数は、目標の2%を下回って推移している。

4月26-27日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、大半の参加者は、第2・四半期の米経済が継続的な回復に向かっていることを指標が示すならば、6月の利上げが適切になるだろうと判断していた。

FRBのイエレン議長も、先週27日のイベントで利上げは「数カ月」のうちに適切になるだろうとの見方を示している。FRBは昨年12月にほぼ10年ぶりとなる利上げに踏み切った。

4月の個人消費支出は、耐久財が前月比2.3%増えた。自動車が増加に最も大きく寄与した。非耐久財は1.4%増だった。サービスも0.6%増えた。

4月の個人所得は0.4%伸びた。3月も同じ伸び率だった。賃金と給与は0.5%の上昇で、3月の0.4%上昇から伸び率が拡大した。

支出が所得を上回って伸びたことにより、4月の貯蓄は7511億ドルとなり、3月の8094億ドルから減少した。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中