ニュース速報

ビジネス

ギリシャの対ユーロ圏債務はデフォルト、EFSFが認定

2015年07月04日(土)04時31分

 7月3日、欧州金融安定ファシリティーはギリシャ債務の早期返済を要求する権利を留保したと明らかにした。写真はレグリングCEO。ブリュッセルで6月撮影(2015年 ロイター/Yves Herman)

[ブリュッセル 3日 ロイター] - ギリシャが今週、国際通貨基金(IMF)融資を返済しなかったことを受け、同国最大の債権者、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)は3日、対ユーロ圏債務についてギリシャがデフォルト(債務不履行)状態にあると認定した。

また、ギリシャ債務、1309億ユーロの早期返済を要求する権利を留保した。

EFSFは、IMFへの返済延滞について「ギリシャとEFSFの金融上の取り決めにより、ギリシャの債務不履行事由発生に至った」との認識を示した。

債務不履行事由の宣言を受け、市場関係者らは、ユーロ圏が5日の国民投票後の新たな交渉で、ギリシャの債務減免へ取り組まざるを得ない可能性があると指摘する。

ドイツ経済研究所(DIW)のマルセル・フラッシャー所長は「ギリシャの公的債務削減を、従来の想定より相当早期に行う必要があることを意味する」と分析。新たな支援で合意する前に、ユーロ圏がギリシャの債務持続性をまず回復させる必要があることを示すとした。

レグリング最高経営責任者(CEO)は、債権放棄や即時返済を要求する考えを否定した。

その上で「今回の債務不履行イベントは、深く憂慮する要因」と指摘。「全ての債権者に対する財政上の義務を履行するというギリシャの約束を破るもので、ギリシャ経済や国民に深刻な影響が及ぶ可能性が生じている」と述べた。

EFSFは、ユーロ圏諸国や欧州委員会、IMFと協議を行い、今後の行動を決めるとした。

また、EFSFは強固な保証の枠組みに支えられており、ギリシャの未払いは、EFSF債保有者への返済能力に影響しないと説明した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、ラファ住民に避難促す 地上攻撃準備か

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、4月も50超え1年ぶり高水準 

ビジネス

独サービスPMI、4月53.2に上昇 受注好調で6

ワールド

ロシア、軍事演習で戦術核兵器の使用練習へ 西側の挑
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 10

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中