ニュース速報

ビジネス

ギリシャ与党連立相手から4議員が離党、首相の反緊縮に反対

2015年07月03日(金)07時11分

 7月2日、ギリシャのチプラス首相(写真)率いる急進左派連合(SYRIZA)と連立を組む「独立ギリシャ人」から、4人の議員が離党した。いずれも5日の国民投票で緊縮策の受け入れを拒否するよう呼びかける首相に反対する姿勢を示している。6月撮影(2015年 ロイター/Alkis Konstantinidis)

[アテネ 2日 ロイター] - ギリシャのチプラス首相率いる急進左派連合(SYRIZA)と連立を組む「独立ギリシャ人」から、4人の議員が離党した。いずれも5日の国民投票で緊縮策の受け入れを拒否するよう呼びかける首相に反対する姿勢を示している。

チプラス政権が議会で過半数を握るには「独立ギリシャ人」の13票が必要だが、このうち4票を失ったことになる。

ギリシャではこの日も銀行は休業。1日の現金の引き出しが60ユーロに制限されるなか、4人の議員は、国民投票で緊縮策の受け入れ拒否を呼びかけるチプラス首相はユーロ圏離脱を余儀なくされる破滅的な道にギリシャを導いていると批判。

このうちの1人のコスタス・ダマボリティス議員は国内テレビに対し、「緊縮策は痛みを伴うものだが、これを拒否することはドラクマの再導入を意味し、つまりはギリシャが直ちに破滅することを意味している。こうしたことには合意したくない」と述べた。

同じく離党を表明したバシリス・コカリス議員は、銀行の休業を命じるために議員に選出されたわけではないとし、5日の国民投票の中止を求めた。このほか、ディミトリス・カメノス議員は、欧州におけるギリシャの役割は「交渉できる種類のものではない」と述べた。

ただSYRIZA幹部は、チプラス政権が議会で過半数を失う恐れはないとしている。

国民投票で緊縮案の受け入れ賛成が多数となれば、チプラス首相は辞任する意向を示唆している。受け入れが否決されればチプラス政権にとり勝利となるが、新たな支援をめぐる債権団との交渉は一段と難航すると予想されるため、ギリシャは欧州中央銀行(ECB)に対し債務不履行を起こし、結果的にユーロ圏からの離脱を余儀なくされるとの見方が出ている。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元カレ「超スター歌手」に激似で「もしや父親は...」と話題に

  • 4

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中