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ユーロ圏、ギリシャ支援の分割支払いを拒否 5月に再協議

2015年04月25日(土)02時28分

 4月24日、ユーロ圏はギリシャ支援の分割支払いを拒否、5月に再協議。ギリシャのバルファキス財務相(2015年 ロイター/Ints Kalnins)

[リガ 24日 ロイター] - 財政難に直面するギリシアへの支援をめぐり24日に開かれたユーロ圏財務相会合で、ユーロ加盟国はギリシャに対し完全な経済改革計画に同国が合意しない限り新たな支援は提供できないとの立場を示し、同国が要請した支援金の一部の早期支払いを拒否した。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長は、ラトビアのリガで開催した会合終了後に会見し、ギリシャが支援融資を受けるためには包括的な改革リストを提出する必要があるとあらためて表明し、ギリシャに作業の加速を要請。

「包括的で詳細な改革リストが必要だ。融資を実行する前に、包括的な合意が成立する必要がある。われわれは、時間切れになりつつあると認識している」と述べた。

これについてギリシャのバルファキス財務相は記者会見で、部分的な改革案で合意する代わりに資金を分割して受け取れないか、ユーロ圏側に打診したものの、拒否されたことを明らかにし、「われわれが当初から、物事を進展させるため、4、5項目の主要な改革案で合意し、資金を部分的に受け取ることが可能かどうか提案していたが、答えは『ノー』だった」と語った。

デイセルブルム議長はまた、凍結されている72億ユーロの対ギリシャ融資は6月以降は提供することはできないとし、ギリシャが完全な暫定合意に至らない限り債権団は長期融支援と債務減免の話し合いには応じないとの姿勢も示した。

そのうえで、ギリシャで7億5000万ユーロの国際通貨基金(IMF)融資返済期限を迎える前日の5月11日に再度財務相会合を開き、ギリシャ側の進展を評価することを明らかにした。

今回の会合はわずか1時間程度で終了。ギリシャが財政再建策の詳細を提示しなかったことから、財政黒字目標を含む踏み込んだ議論は行われなかった。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はこの日、記者会見で、ギリシャの銀行は支払い能力があり適切な担保を有している限り緊急流動性支援(ELA)を利用できるとの見解を表明。

ただ、ギリシャ国内の預金流出や債権団との交渉難航などにより、ギリシャ国債の利回りは2012年の債務再編時以来の高水準となっていると指摘。「利回りが上昇するほどボラティリティーが高まり、担保(価値)が損なわれる」と警告した。

今回の会合に先立ち、ギリシャのバルファキス財務相は、支援の条件である経済改革で国際通貨基金(IMF)などの国際債権団が求めている条件の一部を受け入れる方針を提示し、一部譲歩する姿勢を示していた。

ただ、ギリシャは一段の給与や年金の減額は拒否するとし、債権団側が現実的な国債費を除く基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字目標の設定に合意する必要があるとの主張を崩さなかった。

ギリシャの資金がいつまでもつのかは不明。支援協議が難航していることでチプラス首相の支持率にも影響が出るなか、ギリシャの資金繰りは綱渡りが続くことになる。

ロイター
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