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ドイツ、将来の経済危機に対処する財政能力ある=ショルツ財務相
[ベルリン 18日 ロイター] - ショルツ独財務相は18日、ドイツには将来の経済危機に「総力を挙げて」対処する健全な財政があるとの見方を示し、最大500億ユーロ(550億ドル)の追加支出が可能であることを示唆した。
独政府高官はロイターに対し今月、気候変動関連政策に充てる資金を確保するために赤字国債の発行を検討していると明らかにした。[nL8N25B2MV]
ショルツ氏は記者会見で、国債発行の議論が行われていることを認めたが、国家は経済が好調な局面で健全な財政運営を行う必要があると強調。景気悪化への備えになることを踏まえればなおさらだと指摘した。
2019年の独公的債務は対国内総生産(GDP)比で約58%と、18年の60.9%から低下する見通しだ。欧州連合(EU)が定める上限(60%)を下回り、今後の歳出に柔軟性が生まれるとみられている。
ショルツ氏は「債務水準が60%を下回れば、総力を挙げて危機に対抗する力になる」と述べた。
また、2008/09年の世界的な金融危機の際にドイツが投じたコストは約500億ユーロだったとし、「(この金額を)集めることができなければならない。われわれにはそれができる。これは朗報だ」と語った。
独メディアは16日、景気後退に備えて独連立政権が財政均衡ルールを撤廃し、新たな借り入れを行う用意を整えると伝えた。独財務省は報道についてコメントを控えている。[nL4N25C2ZE]
第2・四半期の独GDP(速報値)は前期比0.1%減少した。[nL4N25A1RM]
ショルツ氏はドイツ経済について、米中貿易摩擦の激化などに関連する外需の低迷や企業を取り巻く不透明感が主要な圧迫要因になっているとの見方を示し、「最大の問題は米中貿易戦争などに起因する不透明感だ」と述べた。
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