ニュース速報

米株続落、貿易摩擦の企業業績への影響に懸念広がる

2019年07月18日(木)06時22分

[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米国株式市場は続落して取引を終えた。米鉄道輸送大手CSXのさえない決算を背景に、米中貿易摩擦が米企業業績に悪影響を及ぼすとの懸念が高まった。

CSXは10.3%下落し、1日としては2008年以来の大幅な下げを記録した。前日引け後に発表した第2・四半期決算は利益が予想を下回り、通年売上高見通しを下方修正した。貿易摩擦が影響し、上期のトラック・鉄道の貨物輸送量が減少したことが業績を押し下げた。

同業のユニオン・パシフィックも6.1%安、BNSF鉄道を傘下に持つバークシャー・ハザウェイも連れ安となった。S&P工業株<.SPLRCI>も圧迫され、2.2%下落した。

米連邦準備理事会(FRB)は同日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、通商問題が輸送企業や製造業への重しとなっていると指摘した。

ウィリアムズ・キャピタル・グループのスティーブン・カール氏は「貿易問題はかなりの不透明要因だ」とし、「大規模なマイナスの影響になり得る。関税上昇に伴うコストが発生しつつある」と述べた。

同時に、貿易を巡る懸念が最近の株価上昇を支えてきた利下げ期待の背景にあるとの指摘も聞かれた。QMAのエド・キャンベル氏は「トランプ大統領は貿易を振りかざし、FRBに対抗している。FRBは貿易に絡む不透明要因を利下げの根拠としている」と述べた。

個別銘柄では、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が0.7%高で終了。第2・四半期決算は個人向け金融部門が好調で、利益が市場予想を上回った。しかし、低金利環境の継続が見込まれる中、通年の純金利収入見通しを下方修正した。

ネットフリックスは引け後の時間外取引で約11%急落。第2・四半期の世界の有料契約者数が市場予想を下回る増加にとどまったことが嫌気された。

ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.67対1の比率で上回った。ナスダックも1.73対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は61億株。直近20営業日の平均は66億6000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 27219.85 -115.78 -0.42 27320.9 27343.0 27218. <.DJI>

1 6 38

前営業日終値 27335.63

ナスダック総合 8185.21 -37.59 -0.46 8224.00 8230.67 8184.6 <.IXIC>

6

前営業日終値 8222.80

S&P総合500種 2984.42 -19.62 -0.65 3005.10 3005.26 2984.2 <.SPX>

5

前営業日終値 3004.04

ダウ輸送株20種 10406.93 -387.66 -3.59 <.DJT>

ダウ公共株15種 824.58 +3.11 +0.38 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1503.87 +4.23 +0.28 <.SOX>

VIX指数 13.97 +1.11 +8.63 <.VIX>

S&P一般消費財 978.51 -8.89 -0.90 <.SPLRCD>

S&P素材 364.12 -3.25 -0.88 <.SPLRCM>

S&P工業 647.63 -14.39 -2.17 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 616.39 -0.81 -0.13 <.SPLRCS>

S&P金融 462.15 -4.12 -0.88 <.SPSY>

S&P不動産 231.92 -0.94 -0.40 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 461.79 -5.36 -1.15 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1066.60 +0.20 +0.02 <.SPXHC>

S&P通信サービス 169.22 -1.51 -0.88 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1411.65 -4.15 -0.29 <.SPLRCT>

S&P公益事業 308.26 +1.33 +0.43 <.SPLRCU>

NYSE出来高 7.32億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 21330 - 90 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物9月限 円建て 21330 - 90 大阪比 <0#NIY:>

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