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ドル107円後半、米長期金利は2年8カ月ぶり低水準

2019年07月03日(水)15時23分

[東京 3日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル安/円高の107円後半。早朝に伝わったトランプ大統領による米連邦準備理事会(FRB)人事関連の報道をきっかけに米長期金利が2年8カ月ぶりの1.95%割れとなったことや、日中株価の下落を受け、ドル安傾向となった。

早朝の取引でドルは一時107.92円まで上昇したが、米長期金利の低下や中国と日本の株価下落に反応し107.54円まで下値を伸ばした。

午後3時時点の米10年国債利回りは1.9481%付近と2016年11月9日以来、2年8カ月ぶりの低水準にある。

米長期金利はこの日の早朝から下げ続けた。背景はトランプ大統領によるFRB理事指名の報道が日本時間の午前7時過ぎに伝わったこと。

同報道を手がかりに、投機筋の間で米独立記念日の休暇前のポジション調整(主にショートの巻き戻し)が活発化したという。

トランプ米大統領は2日、セントルイス地区連銀のクリストファー・ウォラー執行副総裁と欧州復興開発銀行(EBRD)米国理事のジュディ・シェルトン氏をFRB理事に指名する意向を示した。ツイッターで明らかにした。

FRB理事は定員7人のうち2人のポストが空席となっている。両氏の理事就任には上院の承認が必要になる。[nL4N2434C3]

「トランプ氏の指名なら、ハト派に間違いないとの思惑が広がり、米金融緩和の長期化が想起され、債券(米国債)は買い戻された」(国内金融機関)という。

米長期金利低下に伴うドル売りは午前の取引で一巡したものの、東京市場の参加者はドル買いに依然慎重だ。

「年初は米国が金融引き締めを継続し、結果的にドルも110円台とのイメージだったが、その後のFRB(米連邦準備理事会)の豹変と米利下げの思惑の広がりで、108円台はドルの売り場とみている」(国内大手機関投資家)という。

財務省の統計によると、6月2日―22日までの期間に国内投資家は外国の中長期債を約2.5兆円買い越した。5月は確報ベースで1兆6880億円の買い越しだった。

これらの外債投資について「為替相場に影響するような格好で(ヘッジなしの)投資が行われたとは思わない。ヘッジ付でフランス国債等を大幅に買い越した向きはあるようだ」(前出の投資家)との声が聞かれる。

商品市場では金の買い戻しが活発化。一時1オンス=1436ドルに接近し、6月25日につけた6年ぶり高値に迫った。

金融市場でリスクオフ型の値動きが強まっていることについて、前日にナバロ米大統領補佐官が、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を第5世代(5G)移動通信網構築から排除する方針に変更はない、と発言したこともあるという。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 107.68/70 1.1287/91 121.56/60

午前9時現在 107.82/84 1.1288/92 121.75/79

NY午後5時 107.88/91 1.1283/87 121.74/78

(為替マーケットチーム)

ロイター
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