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ドル110円前半、欧州議会選控えユーロ安を警戒
[東京 23日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べわずかにドル安/円高の110円前半。日本や中国の株安や、トランプ米政権による中国製品の禁輸措置拡大の検討などを背景にリスク回避ムードが広がったが、実需とみられるドル買いフローで110円割れは免れた。欧州では英国とオランダを皮切りに欧州議会選挙の投票が始まる予定で、反欧州連合(EU)勢力の台頭に伴うユーロ安のリスクが警戒されている。
ドルは110.30/35円付近で東京市場の取引を開始した後、株価が下げ幅を拡大したことで110.13円まで下値を伸ばしたものの、実需の買いとみられるドル買いで下値がサポートされた。
「輸入企業か機関投資家かは定かではないが、午前の取引では実需の買いフローが出ていた。こうしたフローに加えて日経平均が下げ幅を若干縮小したこともあり、ドルは110円割れを免れた」(外為アナリスト)という。
市場では、米中貿易摩擦の象徴ともいえるファーウェイを巡るリスクが引き続き意識されているほか、米政権が中国の監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)の禁輸措置を検討しているとの報道も懸念され、リスクオンになりにくい環境が続いている。
ユーロは1.11ドル半ばで上値の重さが意識されていた。「このところユーロや英ポンドに下げ圧力が強い。英ポンドは10日連続安で、こうした欧州通貨の弱さが、結果的にドルの底堅さを演出している」とみずほ証券、チーフFXストラテジストの鈴木健吾氏はみている。
きょうの欧州時間序盤にはフランスやドイツの総合および製造業部門の購買担当者景気指数(PMI)の発表が予定されており、市場では、ユーロ圏の製造業の低迷に焦点が当たりユーロ安となるリスクが意識されている。
ユーロは2017年5月以降は1.11ドルを割り込んでいないが、ユーロ圏の経済指標の低迷や、ブレグジットを巡る混乱に伴うポンド売りのユーロ売りへの波及で1.11ドルを割り込めば、「下落のモメンタムが高まるとみられる」(証券会社)いう。
英タイムズ紙は23日、メイ英首相が24日に辞任表明をする見通しと伝えた。
英ポンド/円は139円前半で報道後に若干売られている。
ドル/円
午後3時現在 110.28/30 1.1148/52 122.96/00
午前9時現在 110.20/22 1.1153/57 122.93/97
NY午後5時 110.34/37 1.1152/53 123.03/07
(為替マーケットチーム)