ニュース速報

米住宅着工、4月は5.7%増 市場予想上回る

2019年05月17日(金)03時08分

[ワシントン 16日 ロイター] - 米商務省が16日発表した4月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比5.7%増の123万5000戸と、市場予想の120万5000戸を上回った。一戸建てと集合住宅がともに増えた。

3月の数字は当初発表の113万9000戸から116万8000戸へ上方改定された。

住宅ローン金利の低下が低迷する住宅市場の下支え要因となっていることが示された。

ナロフ・エコノミック・アドバイザーズ(ペンシルベニア州)の首席エコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は「住宅市場は若干勢いを取り戻しつつある」と述べた。

商務省は今回、2014年1月まで遡って季節調整済みの数字を改定した。季節調整前の数字は7月に改定する。

連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年住宅ローンの固定金利は11月のピーク水準(約4.94%)から4.10%に低下している。米連邦準備理事会(FRB)が最近、利上げを停止したことが住宅ローン金利低下につながっている。

15日に公表された5月の住宅建設業者指数は7カ月ぶりの高水準を付けた。住宅ローン金利の低下に伴い需要は増えているものの、住宅建設業者は「依然として労働力・用地不足と建材費の上昇が供給を抑制しており、住宅価格が高止まりしている」と指摘した。

住宅市場は昨年以来、弱含んでいる。住宅建設投資は第1・四半期に年率で2.8%減と、5四半期連続で落ち込んだ。

4月の着工件数の内訳は、市場で最も大きなシェアを占める一戸建て住宅が前月比6.2%増の85万4000戸だった。地域別では中西部が大幅に伸びた。これまで数カ月間は洪水の影響で低迷していたが、4月はこうした影響が薄れた。北東部や西部も増えた。一方、最大市場の南部は減少した。月々の変動が激しい集合住宅は全体で4.7%増の38万1000戸だった。

住宅着工の許可件数は0.6%増の129万6000戸だった。前月まで3カ月連続でマイナスだった。一戸建て住宅の許可件数は4.2%減の78万2000戸と、5カ月連続で落ち込んでおり、向こう数カ月間で住宅建設が抑制されることを示唆。集合住宅は8.9%増の51万4000戸だった。

ムーディーズ・アナリティクス(ペンシルベニア州)のシニアエコノミスト、アンドレス・カルバチョブルゴス氏は「一戸建ての着工減少が集合住宅の小幅増加で相殺され、住宅建設は向こう数カ月間は横ばいになる可能性がある」との見方を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が

ビジネス

NY外為市場=ドル対ユーロで軟調、円は参院選が重し
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中