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底堅い米経済、投資家はユーロの一段安に備える
[ロンドン 25日 ロイター] - ユーロがドルに対して22カ月ぶり安値をつけたことから、投資家の間ではユーロの一段安に備える動きが広がっている。
オプション市場では今週、ユーロ/ドルが今年の安値(1.1177ドル)を割り込んだことから、ユーロの更なる下げをヘッジする取引が活発になっている。
25日の外為市場でユーロ/ドル
バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの為替アナリスト、ニール・メラー氏は「ユーロが持ちこたえられるか、一段と疑問が高まっている。成長見通しはさえず、欧州中央銀行(ECB)は再度の見通し修正を迫られるかもしれない」と述べた。
ユーロ/ドルは今週に入り1%超下げているが、それまではレンジ取引が続き、ボラティリティ―や明確な方向感を求める投資家の間ではフラストレーションが高まっていた。
米連邦準備理事会(FRB)は年初にハト派姿勢にシフト。これは、通常ならドルを圧迫する。ただ、ECBは3月に利上げ時期の先送りを決定した。
さらに、その後発表されたユーロ圏の企業調査は、今後も景気が低迷することを示唆している。注目度が高いドイツのIFO経済研究所の業況指数は、4月に99.2と、前月改定値の99.7から低下した。
一方、米経済は底堅く推移している。26日には第1・四半期の国内総生産(GDP)速報値が発表されるが、成長率は2.4%に達したとの予想もある。
これまで投資家は、ユーロのボラティリティ―が非常に低かったため、ユーロ安に対してそれほどヘッジコストをかけていなかったが、状況は変わりつつあるようだ。
市場関係者によると、25日のオプション市場では、ユーロ/ドルを1.1000ドルで売る権利がかなり買われた。
投機筋のユーロ売り持ちは2016年12月以来の高水準で、市場は既にドル買い持ちにかなり傾いている。
先週には過去最低を更新する勢いだったユーロ/ドルの1カ月物インプライド・ボラティリティー
5月23日の欧州議会選までユーロ/ドルのボラティリティ―は高水準にとどまる見通し。