ニュース速報

ドイツ銀とコメルツ銀、合併交渉打ち切り 十分なメリット見いだせず

2019年04月26日(金)10時06分

[フランクフルト 25日 ロイター] - ドイツ銀行とコメルツ銀行は25日、合併交渉を打ち切ったと発表した。経営統合の実施に伴うリスク、リストラ費用、資本要件を理由に挙げた。

合併交渉は6週間目に突入していた。2人の関係筋によると、ドイツ銀のクリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)とコメルツ銀のマルティン・ツィールケCEOは早朝に会合を持ったが、これが打ち切り前の最後の交渉となった。

両CEOは、合併にはリスクやコストを相殺するほどのメリットがないと説明。

ドイツ銀行とコメルツ銀行の合併は、ショルツ財務相らドイツ政府の当局者が積極的に支持していたが、労組は3万人の雇用喪失につながるなどとして強く反対。投資家や規制当局も合併に懸念を示していた。

合併交渉は破談となったが、投資家は両行の利益率が低いことから、現行の戦略のままで長期的に自力で経営を続けられるのかと疑問を呈している。

ドイツ銀の2018年の自己資本利益率(ROE)は0.4%と競合する米投資銀行を大幅に下回っており、欧州の投資銀行の多くにも見劣りするようになった。

フランクフルト市場でコメルツ銀はこの日の取引を2.29%安、ドイツ銀は1.49%安で引けた。

ドイツ銀行は「引き続きあらゆる選択肢を検討する」とした。

両行の従業員は合併交渉打ち切りのニュースを歓迎。コメルツ銀の行内調査によると、従業員の82%は合併に反対していた。ツィールケCEOはこれまで、従業員に対し、何も策を講じないことは「選択肢にない」と強調してきた。

関係筋によると、ドイツ第2位の大手銀行であるコメルツについては、イタリア大手ウニクレディトやオランダ大手ING がこれまでに関心を示してきた。ウニクレディトとINGは、コメルツとドイツ銀の協議打ち切りのニュースについてコメントを差し控えた。

関係筋によると、欧州中央銀行(ECB)はドイツ銀とコメルツ銀が合併で合意した場合、認可を与える前にドイツ銀に資本増強を求めるとみられていた。

ドイツ銀は第1・四半期の暫定決算も公表。純利益の見通しは約2億ユーロ(2億2300万ドル)と、アナリスト予想の2900万ユーロを上回った。

両行の株主であるデカ・インベストメントのインゴ・シュパイヒ氏は「合併が決まっても実施は極めて複雑で時間がかかっただろう。最終的には合理的な判断に収まった」と分析した。その上で、両行は経営戦略を早急に練り直す必要があると述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドル/円、152円台に下落 週初から3%超の円高

ワールド

イスラエルとの貿易全面停止、トルコ ガザの人道状況

ワールド

アングル:1ドルショップに光と陰、犯罪化回避へ米で

ビジネス

日本製鉄、USスチール買収予定時期を変更 米司法省
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中