ニュース速報
ドイツ銀とコメルツ銀、合併交渉打ち切り 十分なメリット見いだせず
[フランクフルト 25日 ロイター] - ドイツ銀行
合併交渉は6週間目に突入していた。2人の関係筋によると、ドイツ銀のクリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)とコメルツ銀のマルティン・ツィールケCEOは早朝に会合を持ったが、これが打ち切り前の最後の交渉となった。
両CEOは、合併にはリスクやコストを相殺するほどのメリットがないと説明。
ドイツ銀行とコメルツ銀行の合併は、ショルツ財務相らドイツ政府の当局者が積極的に支持していたが、労組は3万人の雇用喪失につながるなどとして強く反対。投資家や規制当局も合併に懸念を示していた。
合併交渉は破談となったが、投資家は両行の利益率が低いことから、現行の戦略のままで長期的に自力で経営を続けられるのかと疑問を呈している。
ドイツ銀の2018年の自己資本利益率(ROE)は0.4%と競合する米投資銀行を大幅に下回っており、欧州の投資銀行の多くにも見劣りするようになった。
フランクフルト市場でコメルツ銀はこの日の取引を2.29%安、ドイツ銀は1.49%安で引けた。
ドイツ銀行は「引き続きあらゆる選択肢を検討する」とした。
両行の従業員は合併交渉打ち切りのニュースを歓迎。コメルツ銀の行内調査によると、従業員の82%は合併に反対していた。ツィールケCEOはこれまで、従業員に対し、何も策を講じないことは「選択肢にない」と強調してきた。
関係筋によると、ドイツ第2位の大手銀行であるコメルツについては、イタリア大手ウニクレディト
関係筋によると、欧州中央銀行(ECB)はドイツ銀とコメルツ銀が合併で合意した場合、認可を与える前にドイツ銀に資本増強を求めるとみられていた。
ドイツ銀は第1・四半期の暫定決算も公表。純利益の見通しは約2億ユーロ(2億2300万ドル)と、アナリスト予想の2900万ユーロを上回った。
両行の株主であるデカ・インベストメントのインゴ・シュパイヒ氏は「合併が決まっても実施は極めて複雑で時間がかかっただろう。最終的には合理的な判断に収まった」と分析した。その上で、両行は経営戦略を早急に練り直す必要があると述べた。
*内容を追加しました。