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「目の前で男性が撃たれた」、NZ銃乱射事件の生存者が語る

2019年03月18日(月)16時19分

Charlotte Greenfield and Tom Westbrook

[クライストチャーチ(ニュージーランド) 18日 ロイター] - それはニュージーランド(NZ)南島クライストチャーチのアルヌール・モスクで15日、金曜日の礼拝が始まって間もなくの出来事だった。

武装した男が押し入り、イスラム教徒に向かって銃撃を始めたとき、サルダー・ファイサルさんはトイレの中にいた。シェイク・ファハドさんは走って逃げ、アミール・ダウドさんは車の中で妻とただじっとしていた。

彼らは、50人が死亡し、多数が負傷したNZ史上最悪の銃乱射事件の数少ない生存者だ。

交通量の多い道路を挟んでクライストチャーチの植物園の向かいに立つアルヌールは、今回銃撃された2カ所のモスクの1つで、最初に攻撃を受けた。

このモスクに男が到着して間もなく、ヒナ・アミールさんは礼拝に行く夫のダウドさんを降ろすため車を止めた。

銃声が聞こえたとき、ダウドさんは車から出ようとしていたが、再び車の中に身を潜めた。

「妻が『銃撃だと思う』と言って、私は『いや、クライストチャーチでそんなことが起きるわけない。電気のショートか、そんなものだ』と答えた」と、ダウドさんはロイターに語った。

人々がモスクから逃げ出してくるのが見えたヒナさんは、車を狭い私道に移動させた。そのころ銃撃犯はモスクの外に出てきていた。

「突然、犯人から銃撃された」とダウドさん。モスクから走って彼らの方に向かって逃げてきた若い男性が目の前で銃弾に倒れたという。

「私の目の前で、男性は2発撃たれた。私はこの目で見た。それから、私たちにも危険が及んだ

「私は妻を押さえつけて、上に覆いかぶさった」

銃弾は車の窓やダッシュボードなど至るところに当たり、社内は煙やエアコンガスで充満した。だが、ダウドさん夫妻には1発も当たらなかった。

手でペダルを操作しながら、夫妻は車を十分に安全な場所まで移動させた。近くの住人が彼らに叫んで自宅に隠れるよう招き入れてくれた。

モスクの中では、最初の5分間、銃撃犯は礼拝に訪れた人たちを銃撃し続け、1つの部屋だけで10人以上が犠牲となった。

犯人はその間、自分の車に戻って銃を取り替え、またモスクの中に入っていき、無差別に銃撃した。アルヌール・モスクでは41人が命を落とした。

「最初に聞いた2、3の騒音は無視したが、そのうちこれは何かまずいことが起きていると私たちは気づいた」と、当時、男性用の礼拝室にいたというシェイク・ファハドさんは話す。

彼はモスクの端まで走っていった。銃撃犯が部屋の前まで銃撃しながら近づく中、すでに突き破られていたドアの下のガラス部分からはい出たという。

「まさに危機一髪、逃げ出すことができ、ただひたすら走った。もうだめかと思ったが、どうにか逃げ出して妻に連絡しようとした。そしたら妻は『私もここにいる』と言ったんだ」

普段は金曜日にモスクには来ないファハドさんの妻は、パキスタンから来ていたファハドさんの母親(65)をモスクに車で連れてきていたのだった。

母親は大丈夫だったが、あまりに悲惨な状況を目の当たりにした。「母親がドアの前に立っているのが見えた。彼女は無事だったが、とても混乱していた。たくさんの遺体を目撃した。一部始終を見ていた」

オーストラリア国籍のブレントン・タラント容疑者(28)は、殺人罪で起訴された。警察によると、さらに容疑が追加される可能性がある。

「私たちは最も幸運だと誰もが言う」とダウドさんは語る。「友人のファイサルもラッキーだった。銃撃犯がモスクにやって来たとき、彼はトイレにいて、銃撃が行われている間もずっとトイレにいたのだから。彼もサバイバーだ。

「犯人がトイレに行かなかったことを神に感謝した。私の妻が無事だったこともね」

ロイター
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