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第4四半期の独GDP速報値、前期比変わらず リセッション回避
[ベルリン 14日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、前期比の伸び率がゼロ%となり、リセッション(景気後退)入りはかろうじて免れた。ロイターがまとめた市場予想は0.1%増だった。第3・四半期は2015年以来のマイナス成長に陥っていた。
ドイツ企業は、世界的な景気減速や、トランプ米大統領の「米国第一主義」政策を背景とした貿易摩擦に苦しめられている。英国が3月に合意なく欧州連合(EU)を離脱するリスクも不透明感を強めている。
デカバンクのエコノミスト、アンドレアス・ショイエレ氏は「政治的な不透明感が企業心理を圧迫する中、第1・四半期も厳しい状況になりそうだ」と語った。
2018年通年のドイツ経済の成長率は5年ぶりの低水準だった。今年の成長率は1%と、一段の鈍化が予想されている。
第3・四半期のGDPは前期比0.2%減だった。
中国、ユーロ圏、新興国では、ドイツ製品・サービスの需要が鈍化している。
エコノミストは、欧州中央銀行(ECB)がドイツ経済の低迷を背景に金融政策の正常化を先送りする可能性が高いと予想している。
INGのエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏は「これ以上悪化することはないというのが、今日の統計の良い点だ」とし「経済ファンダメンタルズは引き続き良好で、今後は再び失望する可能性よりも、景気が回復する可能性のほうがはるかに高い」と述べた。
独経済省は英国のEU離脱や貿易摩擦などがなお独経済を不透明にしているとの見方を示した。ただ自動車業界の新燃費基準(WLTP)への対応には進歩が見られると評価した。
建設ブームは受注の増加を踏まえると数カ月続く公算が大きく、個人消費は引き続き堅調だが、今後数カ月の輸出は抑制される可能性が高いと予想した。
*内容を追加しました。