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日産、ゴーン前会長の側近幹部が通常業務離れる

2019年01月05日(土)15時09分

[東京 5日 ロイター] - カルロス・ゴーン前会長の不正行為による逮捕で揺れている日産自動車<7201.T>は5日、上級経営幹部の1人、ホセ・ムニョス氏が通常業務から離れていることを明らかにした。最近起きた案件に関する特命業務に集中するためという。

ムニョス氏はこれまで、主要7地域の事業と同社の重点市場である中国事業を統括し、チーフ・パフォーマンス・オフィサー(CPO)として収益性などの責任者を務めていた。同氏は2004年に欧州日産へ入社。09年にメキシコ日産の社長を務めた後、12年以降は北米事業を長く担当していた。昨年4月から中国を担当。ゴーン前会長からの信任も厚く、同前会長に近い経営幹部とみられている。

日産の広報担当者は、ムニョス氏について、ゴーン前会長の不正に伴う逮捕など最近起きた案件に関して「会社を支えられるよう、特命業務に専念するため、現在の担当から離れる」と述べた。同氏は米国ラスベガスで来週開催される世界最大級の家電見本市「CES」に出席する予定だったが、欠席する見通し。

特命業務の詳しい内容やムニョス氏の後任などについては明らかにしていない。

日産は昨年11月22日の取締役会で、ゴーン氏を会長職から解任。同社によると、ゴーン前会長の不正行為に関する調査は拡大しており、調査チームとして世界で100人以上が取り組んでいる。

ゴーン前会長については、東京地検特捜部が昨年11月19日、11年3月期からの5年間、役員報酬の合計を実際より約49億円少なく記載した有価証券報告書を提出したとして金融商品取引法違反の疑いで逮捕。同年12月10日に起訴し、18年3月期までの3年間についても約43億円過少に記載したとして同容疑で再逮捕した。

昨年12月21日には私的な投資で生じた損失を日産に付け替えたとして会社法違反(特別背任)で再々逮捕。東京地裁は今月11日までの勾留を認めていた。しかし、ゴーン容疑者の弁護人が勾留理由の開示を地裁に請求。東京地裁は4日、勾留理由を開示する法廷を8日に行うことを決めた。ゴーン容疑者本人が出廷し、容疑を否認する意見を述べる見通しだ。

*写真を追加、見出しを差し替えて再送しました。

(田実直美、白木真紀)

ロイター
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