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海外下振れリスクに一層注意、金融政策は「持久力」が重要=日銀総裁

2018年12月26日(水)16時06分

[東京 26日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は26日、都内で開かれた日本経済団体連合会(経団連)の審議員会で講演し、海外経済の下振れリスクに一層注意が必要になってきた、と語った。金融政策運営は、効果と緩和長期化による副作用をバランスよく考慮しながら、強力な金融緩和を粘り強く続けていく「持久力」が重要になっていると語った。

総裁は「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」との日銀法に定められた理念を紹介したうえで、企業収益や雇用・賃金の増加とともに物価が緩やかに高まっていく「好循環が働く経済を目指して金融政策を運営している」と語った。

これまでの強力な金融緩和は「わが国経済を大きく改善させる効果があった」としたが、景気拡大や労働需給の引き締まりに比べれば「物価は弱めの動きを続けており、物価安定目標の実現には、なお時間を要する」と指摘。「ここにきて海外経済を中心とする下振れリスクにも、一層注意が必要になってきた」とも述べた。

こうした局面での金融政策運営は「金融緩和の効果と副作用をバランスよく考慮しながら、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていく」とし、「まさに政策の持久力が大事になっている」と強調。

金融緩和の長期化による金融仲介機能の停滞や、金融システムが不安定化するリスクは「大きくない」としながらも、「政策の持久力を維持する観点からも、先行きの動向を注視していく必要がある」と語った。

そのうえで、今後の金融政策運営について、海外経済の動向を中心としたさまざまなリスクを点検しながら「政策のベネフィットとコストを比較衡量し、その時々の状況に応じて、最適な政策を実施していく方針」と繰り返した。

<不安定な株価、世界経済のリスクに対する認識変化>

26日には一時1万9000円割れまで軟化した株式市場については「やや不安定な動きを続けている」と指摘。「世界経済を巡る様々なリスク要因に対する認識の変化が、株式市場の変動に繋がっている面がある」と分析し「今後も、国際金融市場の動向とその背景となる各種リスク要因の動きについて、注意深く点検していく」とした。

先行きの経済については「緩やかに拡大を続ける」との見通しを維持したものの「このところ、海外経済の動向を中心とする不確実性が増してきていることには留意が必要」と付け加えた。なかでも、米中貿易摩擦をはじめとする保護主義的な動きは「慎重に点検していく必要がある」とした。

保護主義的な動きは「どの国にとってもメリットはない。行き過ぎた動きには、いずれブレーキがかかるはず」との見方を示す一方で、米中貿易摩擦が「米中間の関係を将来にわたってどう構築していくのか、という大きな文脈の一部と捉えるならば、その解決に時間がかかる可能性も否定できない」と、長期化の可能性にも言及した。そうした場合「企業マインドの悪化や金融市場の不安定化を伴って負の影響が増幅される恐れがある」との懸念を示した。

一方、中国の製造業の景況感の改善ペースが鈍化していることに触れ「これが、貿易摩擦の影響なのか、それともデレバレッジなどに伴う国内需要の減速の表れなのか、といった点も、今後見極めていく必要がある」と指摘した。

戦後最長の景気回復の下で、人手不足に悩むほどの需要増加に直面しながらも、将来に対する慎重な見方を示す企業が少なくないのは「こうした海外経済を巡る不確実性の高まりが企業マインドを慎重化させている面がある」とした。

*内容を追加しました。

(伊藤純夫 清水律子)

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