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NY市場サマリー(14日)
[14日 ロイター] - <為替> 主要6通貨バスケットに対するドル指数<.DXY>が1年7カ月ぶりの高値を付けた。米国外の政治・経済情勢が不安を呼び、ドルへの逃避買いが目立った。
ドル指数は一時、昨年5月以来の高値水準(97.711)を記録した。終盤までの取引で0.38%高の97.434。週間で8月初め以来の大幅高となる勢いだ。
米国の11月小売売上高と鉱工業生産統計が好調だったことを受け、ドルの投資妙味が増した。
連邦準備理事会(FRB)は来週、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25─2.5%に引き上げるとの見方が優勢だが、その後まもなく利上げを休止するとの観測が流れ、ドルの上値は重かった。
トランプ大統領と議会が国境の壁の資金を巡って折り合わず、部分的に政府機関が閉鎖される可能性が意識されたことも、ドルの重しとなった。
<債券> 国債利回りが低下(価格は上昇)した。欧州と中国の経済指標が軟調だったことを受け世界的な経済成長に対する懸念が台頭し、米株価が下落したことに連動した。
米国債利回りは11月の米小売統計が堅調だったことで低下は限定されたが、アナリストは、欧州と中国の経済指標を受け市場心理はすでに悪化していたため、好調な米小売統計発表後も市場の方向性は変わらなかったとしている。
こうしたなか、世界的に株価が下落。DRWトレーディング(シカゴ)の市場ストラテジスト、ルー・ブライエン氏は、「株価水準は景気が近く軟調になることを示している可能性があるため、株価と国債利回りの連動性はこのところ高まっている」との見方を示している。
この日は利回りは低下したものの、10年債利回りは週初からは約4ベーシスポインチ(bp)上昇している。11月の米小売売上高は、自動車やガソリン、建材、食品サービスを除いたコア指数が前月比0.9%増と、市場予想の0.4%増を上回った。[nL3N1YJ457]
<株式> 米国株式市場は大幅安。ダウ平均株価<.DJI>は一時500ドル超値下がりしたほか、ハイテク株の多いナスダック総合指数<.IXIC>も2%落ち込み7000ポイントの大台を再び割り込んだ。中国や欧州のさえない指標をきっかけに世界経済の減速懸念が再燃した。ダウ平均は調整局面を確認したほか、S&P600小型株指数<.SPCY>も弱気相場を確認した。
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<金先物> ドル高・ユーロ安の先行に伴う割高感に圧迫され、続落した。中心限月2月物の清算値は前日比6.00ドル(0.48%)安の1オンス=1241.40ドル。週間ベースでは0.89%安。
外国為替市場ではドル高・ユーロ安が未明に進行し、ドル建てで取引される金塊などの割高感につながったため、相場は軟調に推移した。
ただ、この日発表された中国やユーロ圏の経済指標がさえない内容だったことから、世界的な景気減速への警戒感が強まる中、米株相場が大幅反落。このため、金には安全資産としての買い支えも入った。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)を翌週に控えて様子見ムードも若干広がったため、下値は限定的だった。
<米原油先物> 世界的な景気先行き懸念が強まる中で売られ、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値は前日比1.38ドル(2.62%)安の1バレル=51.20ドルだった。2月物は1.36ドル安の51.47ドルとなった。
中国やユーロ圏の指標を受けて世界的な景気減速懸念が強まったことから、エネルギー需要先行きにも警戒感が広がった。投資家のリスク回避姿勢が強まる中、株式市場が大幅下落。株と並んでリスク資産とされる原油にも売りが広がった。また、外国為替市場では対ユーロでドル高が先行。ドル建てで取引される原油などの商品に割高感が生じ、原油相場に下押し圧力がかかった。
米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが14日に発表した同日までの1週間の国内石油掘削リグ稼働数は前週比4基減の873基となったが、反応は限定的だった。