ニュース速報

中国、米国車関税引き下げへ 通商協議巡り電話会談

2018年12月12日(水)08時26分

[ワシントン/北京 11日 ロイター] - 米政府当局者は11日、中国が米国製の自動車と自動車部品の輸入関税を40%から15%に引き下げることに同意したと明らかにした。

正式な文書や引き下げ時期の詳細に関する情報はまだ受け取っていないという。

中国は5月、各国からの輸入自動車への関税率を25%から15%に引き下げたが、米国が500億ドル相当の中国製品に第1弾の関税を発動したことへの報復として7月に米国車に25%の関税を上乗せし、米国車の関税率は40%となった。

米当局者によると、中国側は劉鶴副首相とムニューシン米財務長官、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表の電話会談で自動車関税引き下げの意向を伝えた。

このニュースを受け、11日の米国株式市場では自動車株が上昇した。

一方、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]の幹部がカナダで逮捕されたことを受けた米中間の緊張は高まりの様相をみせている。

カナダは11日、同国市民が中国で拘束されたことを確認した。華為の件と直接の関連はないとしているが、複数の関係筋は米国務省が中国への渡航について勧告を出すことを検討していると明らかにした。

<通商協議の詳細は不明>

トランプ大統領は11日朝、「中国と極めて生産的な協議が進められている。重要な発表に注目してもらいたい!」とツイッターに投稿した。詳細には踏み込まなかった。

米財務省やUSTRの当局者は、中国側との電話会談の詳細について明らかにすることを控えた。

中国商務省は電話会談について、先の米中首脳会談で得られた合意の実行や、次の段階の通商協議のスケジュールやロードマップについて意見交換したと明らかにした。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が関係筋の話として伝えたところによると、中国の劉副首相は年明けにワシントン訪問を予定している。USTR関係者は今後の米中協議の予定についてコメントを控えた。

中国外務省によると、王毅国務委員兼外相は会合で「米中が敵対すれば勝者は不在となり、全世界に悪影響を与えるだろう」と述べた。その上で、米国は中国の発展をより肯定的に受け止めるべきで、「相互利益の余地を広げる」ことに常に取り組むべきだとの考えを示した。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドル157円台へ上昇、34年ぶり高値=外為市場

ワールド

米中外相会談、ロシア支援に米懸念表明 マイナス要因

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2

ワールド

ベトナム国会議長、「違反行為」で辞任 国家主席解任
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中