コラム

グーグル騒動で外国メディアが餌食に?

2010年03月26日(金)16時51分

 グーグルの中国本土での検索事業からの撤退や中国政府による検閲、メールの安全性などをめぐる記事を配信する外国メディアの在北京特派員たちは、自分の受信ボックスに注意すべきだ----3月25日、北京にある駐華外国記者協会はホームページ上でこう警告した。


 大きなニュースが起きた時や政治的に微妙な時期には、通常より多くの添付ファイル付きの悪質なメールが中国にいる外国人特派員に送られる傾向がある。今週は、そうした悪質なメールが増えているようだ。


 記者たちに悪質なメールが送られたタイミングと、グーグルをめぐる騒動に関連性があるかは分からない。今のところ、3名の在北京特派員が受け取った悪質メールについては、今年5月から開催される上海万博のプレス部門から送られたもののようだ。これらのメールはそれぞれ異なるアドレスから送信されているが、上海万博が管理する記者名簿が流用された可能性も指摘されている。

 安全性とプライバシーへの懸念もあるが、果たして上海万博の関係者たちはこの件に加担しているのだろうか。それとも「なぜ私たちのメールリストなんだ。外国人記者たちを味方につけようとしている時に、なんてことしてくれたんだ」と思っているのか(もっとも、上海万博でのアメリカ展示館をみれば、アメリカの広報外交もイマイチであることは一目瞭然だが)。

──クリスティーナ・ラーソン
[米国東部時間2010年03月25日(木)10時47分更新]


Reprinted with permission from "FP Passport", 26/03/2010. ©2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

プロフィール

ForeignPolicy.com

国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

午後3時のドルは153円前半に上昇、トランプ氏来日

ワールド

台湾国防部「威嚇目的の世論工作」、爆撃機訓練実施と

ワールド

中豪首相が会談、関係安定化へ意欲 緊張や対立でも

ワールド

アングル:米政府閉鎖巡り紛糾続く議会、トランプ氏に
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水の支配」の日本で起こっていること
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 5
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 6
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下にな…
  • 7
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 8
    1700年続く発酵の知恵...秋バテに効く「あの飲み物」…
  • 9
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 10
    【テイラー・スウィフト】薄着なのに...黒タンクトッ…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 10
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story