コラム

超能力でルーマニア大統領再選?

2010年01月26日(火)15時45分

 オバマ大統領は、08年大統領選で選対本部長を務めたデービッド・プラフを呼び戻した。今年の中間選挙に向けて内政を立て直すためだ。だがオバマが本当に共和党を混乱させたいのなら、ルーマニアの暗黒世界から学んだほうがいいかもしれない。


(ルーマニア大統領選で敗れた)ジョアナ元外相は先週のメディア各社とのインタビューで、昨年12月の決選投票直前に行われたテレビ討論の最中に「負のエネルギー」の波に襲われたと語った。決選投票は現職のバセスク大統領が勝利した。

 ジョアナはアンテナ3テレビで、「バセスク陣営のその分野の専門家たちがカメラの右側にいた」と証言。妻ミハエラは「彼はひどい攻撃を受けて集中できなかった」と語った。

 ルーマニア国民は当初、ジョアナは負け惜しみを言っているとあざ笑い、バセスクも一笑に付した。だが最近公表された写真で、著名な超心理学者アリオドル・マノレアが選挙期間中にバセスクのそばにいたことが分かったため、バセスクが対立候補に魔法をかけたのではないかとの疑念がわき上がっている。

 一連の写真によると、マノレア(リンク先の写真左端)は細身で丸顔にあごひげ、生え際が後退した丸刈り頭が特徴。テレビ討論の前にバセスクの後方を歩いていた。ルーマニア・トランスパーソナル心理学会によると、マノレアはマインドコントロールや予知、催眠術を専門としている。


 バセスク陣営はマノレアは選対会議に加わっていなかったと言うが、彼の関与を完全には否定しておらず、なぜバセスクと一緒に現れたかも説明していない。

 ひょっとしたらアメリカでも近いうちに、(中間選挙で接戦が伝えられる)アーレン・スペクター上院議員(民主)の後ろを、細身でひげの東欧人が歩いているところが目撃されるかもしれない。

──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年01月25日(月)17時39分更新]

Reprinted with permission from FP Passport, 26/1/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

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国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

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