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魅惑の摩天楼、香港フォト通信

マリエ|香港

香港のAI顔認識カメラ急増とゴミのポイ捨て罰金57,000円──罰金が守る街の秩序

(筆者知人撮影)

香港で急ビッチで進むAI顔認識監視カメラ

近所に住む知人が上記の写真を送ってくれた。10月24(金曜日)の午前に撮った写真だそうだ。これは何をしているかというと横断歩道を渡る歩行者のAI 顔認識をするカメラを取り付けているところ。

香港ではすでに街中に監視カメラが至る所に設置されているが、その上を行く、リアルタイムでAI顔認識機能の監視カメラの強化が急ピッチで進んでいる。既に4,000台が設置済みだ。

2028年までに60,000台が設置されるという。

従来の監視カメラとはずいぶん違うそうだ。何が違うかというと従来型は主に映像記録中心、新型はAIでリアルタイム分析が可能。従来型は「後付け」証拠収集が主。新型は「予防・即時対応」し、違反者に即時警告して罰金通知する。

ついに私の住む地区にも設置されたか......そして信号待ちの光景が変わった。かつては「赤信号みんなで渡れば怖くない!」と老若男女が赤信号をスイスイ渡っていたのに、今は昔、まるで足が地面に張り付いたごとく青信号を待っている。賛否両論あるけれど、このAI技術は香港の厳格な罰金制度と相まって街の治安を支えている。

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(筆者撮影)

ちなみに赤信号での横断歩道突破の罰金は2000香港ドル(約38,000円)。
(注:1香港ドル=約19円で計算)

香港ではごみのポイ捨ての罰金は3000香港ドル(約57,000円)、罰金システムに思う事

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(筆者撮影)

信号を無視して赤信号での横断が罰金2,000ドル(38,000円)の話が出たついでにその他の罰金行為をいくつかあげてみよう。

罰金行為

香港ドル

日本円(約)

ごみのポイ捨て

3,000

57,000

禁煙所での喫煙

最大5,000

最大95,000

地下鉄内での飲食

2,000

38,000

麻薬持ち込み

最大5,000,000

最大9,500万円

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(筆者撮影)

かなり高額で驚かれたのではないだろうか? 

香港は非中国系の外国人居住者の比率は日本よりも高く約8.4%である。この罰金制度は香港社会の秩序維持と治安の抜群の良さに貢献していると私は強く感じる。治安に関しては生まれ育った東京より香港、シンガポールの方が上をいっているなと個人的に体感する。

昨今、日本で一部の観光客や新住民によるルール違反が問題視される中、

「日本ではルールが~」「マナーが~」「ルールとマナーを守る外国人はウェルカムなんです」なんてネットで叫んだって変わらないと思う。香港やシンガポールの罰金システムには日本が必要としているヒントが沢山あるのではないか。

私は香港で香港のルールを守って暮らしている。海外で日本人がルール違反をすれば日本全体の印象に影響する。これはどこの国の人にも当てはまる普遍的な課題だ。

自分が今住まわせてもらっている国(地域)を尊重しルールを守るというのは当たり前の事だ。

 

Profile

著者プロフィール
マリエ

香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。インスタグラムはこちら

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