ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ「過激派」から「精鋭」へと変わったのか?
From Fringe to Elite
22年5月、86日間に及ぶマリウポリ包囲戦の末、アゾフの戦闘員とウクライナ軍兵士は、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領の命令により、最後の拠点であるアゾフスターリ製鉄所を明け渡した。
ロシアは2000人以上のウクライナ兵を捕虜にし、今でも数百人を拘束している。この地域は依然としてロシアの支配下にある。
以来、旅団はドンバス地域で広範に戦い、長期化したバフムートの戦いや、ザポリッジャ、クレミンナ、テルニー、トレツク周辺での作戦にも参加した。
今日のウクライナに極右の影は見当たらない。19年の前回議会選挙で、極右陣営の得票率は2%強にとどまった。
戦争が終わり、ウクライナが再び活発な複数政党制の民主主義を迎えたとき、西欧諸国と同様に極右が再浮上すると専門家は予想する。ただしそれは、ロシアの支配的イデオロギーを形づくるものとは大きく異なる。
いずれにせよ、その日が訪れるまで、アゾフ旅団の歩みはウクライナの魂を代弁するものであり続ける。

アマゾンに飛びます
2025年10月14日号(10月7日発売)は「中国EVと未来戦争」特集。バッテリーやセンサーなどEV技術で今や世界をリードする中国が戦争でもアメリカに勝つ日
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら