トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
The Dollar Is Sinking: Here's Why
米国内のアメリカ人にとって、ドル安は輸入品の価格を押し上げ、物価上昇を引き起こし、消費者の購買力を低下させる。海外旅行もより高くつくようになる。
スイートは「ドルの価値下落はインフレの要因にもなる」と言う。「時間の経過と共に、輸入物価が押し上げられるからだ。ドル安が進めば、関税の影響で今年の夏から秋にかけて消費者物価が予想以上に上昇するリスクが高まる」
ドル安は、外貨準備としてドルを大量に保有する国々の国家バランスシートに打撃を与えるだけでなく、米国債などドル建て資産を持つ海外投資家にも損失を与える。
旅行先としてのアメリカはドル安でより手頃で魅力的になる。スウィートは、ドル安が輸出業者にとって「追い風」となり、アメリカ製品の海外での競争力が増すと付け加えた。
輸入減少と輸出増加という二重のインパクトは、トランプが掲げた関税の目的のひとつ、すなわち貿易赤字の削減と一致するように見える。4月2日の相互関税リストの発表とドル相場の急落を受けて、ドルを意図的に「暴落」させるのが政権の狙いだったのではないかという憶測さえ呼んだ。