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米経済

トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」

The Dollar Is Sinking: Here's Why

2025年7月8日(火)18時37分
ヒュー・キャメロン
大型減税・歳出法成立ではしゃぐトランプ

大型減税・歳出法成立ではしゃぐトランプ(7月4日、ホワイトハウス)REUTERS/Leah Millis

<4月2日の国別相互関税リスト発表でドルが急落したのをはじめ、上半期では10%以上と最大の下落幅。基軸通貨ドルに対する信認も風前の灯>

ドナルド・トランプ米大統領の経済政策が本格化するなか、米ドルの価値が急落している。

エコノミストたちは本誌に対し、このドル安が「海外市場における米製品の競争力向上」や「輸出の強化」というトランプの目標の後押しになる可能性がある一方で、世界の準備通貨としての米ドルの地位を危機に晒すなどの重大なマイナス面もあると警告する。

複数の主要通貨に対するドルの価値を指数化した「ドル指数」は、過去6カ月で10%以上下落している。これは1973年に同指数が開発されて以降、上半期としては最大の下落幅で、大統領の就任直後の半年間としても最悪の記録となった。

トランプは7月4日、看板政策の「大きく美しい法案」に署名し、法律として成立させた。連邦議会下院で3日に僅差で可決されたこの大型減税・歳出法案には、大幅な歳出削減や2017年に成立したトランプ減税の延長措置などが盛り込まれている。

議会予算局(CBO)などの財政監視機関は、この法律は、既に膨大なアメリカの財政赤字をさらに大幅に増加させる恐れがあると試算している。

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