最新記事
ブルキナファソ

SNSで大人気の「プーチンの盟友」...アフリカ最年少指導者は英雄か新たな独裁者か?

The Young Putin Ally Winning Hearts Across Africa: Who Is Ibrahim Traoré?

2025年5月26日(月)16時30分
アミール・ダフタニ

トラオレ台頭の理由は軍事クーデターだけではない

トラオレがここまで台頭したのは、軍事クーデターだけでなく、AIによる賛辞や燃えるような演説がネット上で拡散されたことによって、アフリカ諸国の団結を象徴する地位を築いたためだ。

トラオレの姿はネット上で映像やミーム画像、巧妙に編集されたコンテンツとなって広まり、ブルキナファソ外でも支持を集めている。


「自ら反逆を起こす覚悟もない奴隷に同情する価値はない。我々は自らを哀れまず、他者にも哀れみを求めない」。このようなトラオレの力強いメッセージは、民主主義や外国の干渉に幻滅したアフリカの若者たちに強く響いている。

アフリカの多くの地域で暴力と権威主義が増長している中でも、多くのアフリカ人はトラオレを西洋による支配に果敢に挑戦する存在であり、アフリカ人の苦境の元凶と考えられている西洋に対抗する希望だと見なしているのだ。

2024年初頭にはTikTok(ティックトック)やWhatsApp(ワッツアップ)で、トラオレが複数の言語でアフリカの団結と独立を訴える演説を行う様子を描いたディープフェイク動画が拡散された。この映像はAIによって生成された偽物であったにもかかわらず、西アフリカの若者の間で大きな話題となり、賞賛と議論の両方を巻き起こした。

ブルキナファソが複雑化した政治状況や治安状況を改善していく中で、国際社会は、トラオレのリーダーシップが地域の安定と民主的統治の未来に与える影響を注視している。

ニューズウィーク日本版 AIの6原則
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月22日号(7月15日発売)は「AIの6原則」特集。加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」/仕事・学習で最適化する6つのルールとは


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

オルカン、保有者が500万人超える=三菱UFJAM

ビジネス

ウーバー、自動運転タクシー展開でEVルーシッドに3

ビジネス

バイル首相の財政緊縮計画、「正しい方向」=仏中銀総

ワールド

トランプ氏、エプスタイン元被告の裁判巡り大陪審記録
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 5
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 6
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 9
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 10
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中