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本物の警察官もポンコツ!? 職質検挙・交通取り締まりの「リアル過ぎる」実態に納得いかない

2025年4月2日(水)16時15分
印南敦史(作家、書評家)

私は自転車泥棒をしたことがないが、交通違反で切符を切られたことならある。車を停められるや、有無を言わさず胸ぐらをつかまれたこともあった(そういえば、あれは調布署の管轄内だった)。もちろんこちらに非があったのだから文句はいえないけれども、それでも切符を切ることを"取れ高"などと表現されたのでは若干の抵抗は感じざるを得ない。

だが、ノルマがあるのは事実なのだから、それは仕方のないことでもあるのだろう。ちなみにノルマがある場合、パトロールよりも自転車検問に専心するようになるらしい。そのほうが成果が出やすいからである。


 指導巡査・神宮寺センパイの教えはこうだ。
「どうしても売上げがあがんねーときの奥の手、教えてやっから。駅のそばに路上に放置してあるカギの壊れた自転車を見つけておくんだ。電柱の陰とか、ちょっとわかりづらいくらいがちょうどいい。で、それを離れたところから監視する。そのうち酔っ払いがやってくっから、それを待てばいい」(85〜86ページより)

素直に納得できないような話だが、ここまでは「違法」ではないのだそうだ。とはいってもノルマのための仕事であることは事実なので、やる意義を見出すことは難しくもあるだろう。新人時代の著者も、それだけノルマに困っても、その"教え"を実行する気にはならなかったという。

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